LGが再び半導体事業へ?
LGが半導体大手のハイニックスに興味を示しております。
どうやらハイニックス側の内紛が切欠のようです。
韓国のハイニックス半導体の主要株主が、LGグループに対して5%の株式売却を提案している。聯合ニュースが14日伝えた。
>>ハイニックスの主要株主、LGグループに株式を売却か
ハイニックスは韓国の大手半導体メーカーで08年の半導体売上高は世界第9位です。
規模的にはエルピーダメモリの倍くらいです。
調べて見ると、もともとLGがやっていた半導体部門をハイニックスが引き取って成長してきたんですね。
ハイニックスが現代系だったのはちょっと意外でした。
自動車部門で使うためにやってたんですかね。
Wikipedia:ハイニックス半導体
ロイター通信:ルネサスとの統合で300ミリの2工場を維持、営業利益率5%必要
電気自動車やハイブリットカーは半導体の塊でし通常の自動車もかなり使っていますから、グループ外社内に半導体部門がある方が都合が良かったんですね。
今回LGに戻るのは、ある意味元の鞘に戻る感じでしょうか。
LGは携帯電話の年間生産台数がノキア、サムスンに次ぐ世界第3位で、日本一携帯電話を作っているシャープのおよそ11倍の規模です。
さらにCDMA型携帯電話では世界シェア1位です。
半導体部門を吸収すれば、垂直統合でよく使用されるDRAMの価格変動に柔軟に対応できそうです。
半導体需要は意外と低迷しており、今年の3月決算発表ごろには各社「V字回復!」と喜んでいましたが、直近の価格を考えるとそれほど楽観視はできないと言うのが実感です。
ロイター通信:米アプライド・マテリアルズCEO、前向きな需要見通し示す
半導体自体の需要が回復しているのは確かなのですが、肝心の価格は再び下落に転じています。
半導体の中でもたくさん売れるDRAMは各国が価格競争をしており、固定費がどんどん下がっていきます。
付加価値の低いDRAMは、底打ちをしても上昇はしないように思います。
日本の企業がなぜSRAMではなくDRMAに拘る理由がぜんぜんわかりません。
SRAMの方がDRAMの30倍くらい割高に売れるんですけどね。(1MB=8Mb)
DRAMを製造するメーカーは、安く入荷し柔軟に生産調整をできるよう体制を作る必要がありそうです。
最終製品までを含む垂直統合を行えば、高い時は自社製品比率を高め、安ければ外部から調達できるようになり、資材調達の弾力性が増します。
中抜きコストを抑え、最終製品価格を抑えれば世界的な競争力を下支えできるでしょう。
幸運にもLGにはそのチャンスが廻って来たようです。
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