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胴元は儲かる② - 銀行の場合

シリーズ2回目です。
今回は超薄利超多売の代名詞である銀行(FG)にお越しいただきました。

理経済:胴元は儲かる① - 宝くじの場合

さて、まず銀行がどの位薄利多売なのか、ROAから見てみましょう。
ROAとは総資産(≒自分のお金+借金)に対して、どれくらい儲けているかをパーセンテージで表したものです。
高いほど高利、低いほど薄利ということになります。

データが古いので恐縮ですが、銀行以外のROA平均です。
現在はこれよりも若干高いです。

業種別ROAの比較

日本政策投資銀行:長期低下傾向にある日本企業のROA PDF

そしてこちらは銀行業です。
代表として三菱UFJフィナンシャルグループのデータです。

三菱UFJFGのROA

Ullet:三菱UFJフィナンシャル・グループ

桁が低いのが見て取れます。
これはMUFGに限らず銀行業種全体に言えます。
彼らはぼろ儲けしているように見えますが、それはひとえに借金(=皆さんの預金)のおかげと言えます。
特に日本の銀行はダメです。

各国銀行のROA

広瀬隆雄:ブラジルの銀行業界

先日ゆうちょ銀行の残高上限を引き上げるか否かでもめていました。
民間銀行が強く反応したのは、自分達の薄利が分かっているからなのかもしれません。
実質民間からの預金で成り立ち、高い給料を貰っているわけですから、その残高が少しでも減れば利益の減少に繋がりかねません。

給料などの固定費は利益が減っても中々減らせませんから、仮に預金残高の減少で利益が減れば株主に怒られます。
それが駄目なら社員の賞与カットです。
だからほんの少し預金減の可能性でも反応したのかもしれません。
民業圧迫なんて言われましたが、単に自分達の技術力の無さが原因のようです。

さてここまで見てきたように、彼らは薄利多売でありながら、お金というチップ、金利という場代によってセコセコ稼いでいる訳です。
彼らが凄い訳でもなんでもないのに、胴元ということで彼らの所にはお金が転がり込み、従業員は高給取りになれるのです。

理経済:何故銀行を救うのか?① - 信用創造の仕組み

しかも銀行法でがっちり守られていますからバッチリですね。
おいしいですねー。
彼らの反映はそのまま胴元の強さを表しています。

続く…
理経済:胴元は儲かる③ - アップル社の場合
理経済:胴元は儲かる④ - 最大の利権者

ところでご存知の通り07年半ば頃から、銀行を含む米国の金融機関は凄まじい逆風に見舞われました。
大手とされていた銀行や証券会社、保険会社がばたばた潰れました。
胴元であるはずの彼らが何故大損したのでしょうか?

これは単純に期待値の予想を失敗したからです。
期待値の計算は案外難しく、実際の社会では簡単に算出できません。
例えば人間は周りが不安になれば自分も不安になりますし、隣の人が「株で儲けて豪邸を建てた」と聞けば、自分もできるかもと感じます。
サイコロのように毎回同じ確率で決まった範囲の目が出る訳ではありません。

胴元であっても期待値-費用がマイナスになることはあります。
最初に予想したよりも期待値が下がるかも知れません。
費用はある程度自分で決められますが、"期待"はあくまで天運ですからね。

理経済:咽元過ぎれば熱さを忘れる② - AIGの悲劇

あの時は様々な要因が重なり期待値が下がったり、プライヤーが減る事で期待のブレが大きくなったりした為、胴元も上手く儲けられませんでした。
胴元だから必ず儲かる訳ではありません、意外と忘れがちですが。

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