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あなたの会社は何の会社ですか?② - 複雑な収益構造

シリーズ2回目です。
前回の最後に述べたように、自分達の会社が何なのかを理解するのは意外と難しいものです。
皆さんは自分の会社、或いは就職活動している会社がどのように儲けているかを理解していますか

理経済:あなたの会社は何の会社ですか?① - トヨタと金融業

現在、企業の収益はかなり複雑化しています
理由は色々ありますが、大きいのは競争の激化です。
兎に角利益を出さないと、周りの会社に食いつぶされてしまうという焦りがあるのでしょう。
投資家も経営者もやる事は同じなんですね。

例えば前回お話したトヨタは車だけだと利益率が低くなる為、金融業などをやっています。
カーローンのように親和性の高いものなら本業を圧迫せずに利益を出せます。

余ったお金を効果的に運用しないと、それは"死に金"になってしまいます
その為、本業とは関係なくても投資を行う事がしばしば有ります。
本当は借入金を返すとか技術力のある中小企業を買収するとか、本業を強化する手法がいくらでもあるのですが。

また死に金を放置し続ければ株主からも突き上げを受けます。
配当にしろとか自社株買いしろとか言われます。
株主というものは現金なもので、株価が上がっているうちは死に金に対してとやかく言いませんが、一端下がりだすと文句が大量に出ます。
経営者も嫌がるわけですね。

さて、企業はこの死に金を何とか消費する為に、しばしば畑違いの投資を行います。
本業が何なのかというのは難しい問題ですが(これは次回お話します)、少なくとも彼らの投資は一般のイメージとズレています。

例えば日立製作所です。
日立といえば、電気ジャーや掃除機などの家電が有名です。
マニアックな人だと鉄道や建機を思い浮かべるかもしれません。
しかし実際はIBMや富士通と同じ情報通信の会社です。

日立製作所の営業利益

日立製作所:セグメント別営業損益 から作成

これは営業利益で見ていますが、売上でも情報通信業は最大勢力です。

また、イオンと言えばスーパー(小売、流通)ですが、こちらも変わった利益構成をしています。
売上はスーパーや専門店が多数派ですが、利益は不動産業や金融業などが占めています

イオンの営業利益

イオン:事業セグメント別構成比

同じ小売業である専門店部門がマイナスである事を考慮すると、小売業としての利益は更に下がります。

このように、企業は死に金を出さぬよう、様々な形で資産運用をし、各々の分野でそれなりの成功を収めています。
しかし、これが必ずしも良い結果を産むとは限りません。

利益を出している部門の方々は自分達が会社を支えているという自負が出てきます。
それなのに世間がそれを認めてくれない、会社がそれを認めてくれないとなれば、不満がドンドン溜まり、独立や暴走に繋がりかねません。
以前紹介した投資銀行の内乱も、詰る所こういう人間的な勘定に起因しています。
誰だって鵜になりたくはないのです。

このように、その会社が一体何の会社なのかは非常に分かりにくくなっています。
これをしっかり理解し取捨選択しないと、内乱や余計なリスクを背負う事になりかねません。
会社の理解は誰であっても非常に重要なのです。

ではそもそもその会社の本業とは何なのでしょうか?

続く…
理経済:あなたの会社は何の会社ですか?③ - 本業を考える

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