胴元は儲かる① - 宝くじの場合
よく言われる事ですが、得てしてギャンブルの胴元は儲かるものです。
正確には必ず儲かる訳ではありませんが、やり方次第で儲かる事は実証されています。
今回は色んな胴元の皆様に登場してもらうお話です。
まず断っておきますが、胴元が必ず儲かるとは限りません。
あくまで値段設定次第です。
やり方次第で儲かりもすれば損もします。
あくまで期待値分の粗利益から人件費等を差し引いた分が儲けになりますから、設定次第では損も出ます。
一般的に言って、胴元側が上手い事設定しているので損が出難いという事です。
ただし利益は絶対的なものではありません。
ここは非常に重要な点です。
NHKオンデマンド:爆笑問題のニッポンの教養 「ギャンブルの正体~ギャンブル学・谷岡一郎」
カジノ合法化に関する100の質問:「ギャンブルは胴元が必ず儲かるようにできている…」論について
さてそんなギャンブルですが、代表的なのは宝くじ(正しくは富くじ)です。
「夢を買う」なんて言いますが、先日の仕分けで叩かれていた所を見ると、国民の夢は変なところに使われているようです。
宝くじの売上高は年間1兆円にもなります。
ヤマハや京セラと同じ位です。
凄いですね。
問題なのはこの粗利率。
売上の半分(5割)以上は当選金を出してはいけません。
これは法律ではっきり決まっており、許可無く出すと違法行為となります。
当せん金付証票の当せん金品の金額又は価格の総額は、その発売総額の五割に相当する額をこえてはならない。
>>当せん金付証票法 第五条 一項 (括弧書きは削除しています)
この為粗利は常に5割を超えます。
ここから人件費等を引くのですが、5000億円もの利益ですから多少ちょろまかしても分かりはしません。
こちらのサイトでは実際に当選金から粗利を計算しています。
UNIQUE LABORATORY:「期待値の話」リターンズ
更に、宝くじにはLottery Effect、所謂宝くじ効果が働きます。
これは「少ない元手で高い賞金」というギャンブルでは、それがどれほど低い確率でも市民は積極的に参加するという経済理論です。
300円で3億円の可能性を手にできるなら安いもの、と皆挙って買いに行きます。
一般に、物は小売りにされればされるほど割高になるとされています。
コンビ二は定価販売なのに、スーパーが値引き販売しているのもこの為です。
逆に企業が合併するのは、大量買付により割安に仕入れるのが理由の一つとされています。
Wikipedia:規模の経済 Economy of scale
宝くじ効果はこれを更に増大させたものです。
夢を買うとはいいキャッチコピーですね。
まさしくその通りです。
フリーミアムと同じで、非現実的な数字は大きくても小さくても意味があるんですね。
これにより胴元である国や地方公共団体はぼろ儲けできます。
しかも法律で規制する事で、国家とその子供達が独占的にこの利益を手にできます。
イヤー美味しいですなー。
やっぱり胴元は強いのです。
続く…
理経済:胴元は儲かる② - 銀行の場合
理経済:胴元は儲かる③ - アップル社の場合
理経済:胴元は儲かる④ - 最大の利権者
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