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学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆うし

先日投稿したファニーメイの公的資金について、コメントがありました。
色々長くなりそうなので、一つの記事として書く事にしました。

理経済:やっぱりモラルハザード

先に断って置きますが、私は誰かを論破したい訳ではありません
そもそもブログで彼是言った所で、現実がすぐさま変わる分けではありません。
仮に論破してもただの自己満足です。

また、得てして皆が「そうかそうか」とすんなり納得するような理論は、碌でもない結果をもたらす事が多いです。
安易に良いと言うのは、考えているようで実はあまり考えていないからそうなるのだと思います。

議論になるのは真剣に考えているからだと思います。
皆さんも思うところがあれば、是非是非コメントを入れてください

さて本題に入ります。
先日、ファニーメイ等の住宅ローン会社に多額の税金を投入する事になりました。
彼らはGSEという特殊法人で、政府とくっ付いて住宅ローンなどの支援を行っています。

しかし08年に経営が悪化すると、米国政府は事態の沈静化のため多額の公的資金を注入しました。
彼らの債権は「暗黙の政府保証」で不履行にならないのに米国債より利回りが良かった為、各国政府や金融機関が大量に保有していました。

その額なんと520兆円。
これが一部でも不履行となれば、金融危機を煽り米国債への信任も揺らぐと考えられ、米政府は公的資金の注入を決断しました。

ロイター通信:米金融危機:政府保証への根拠なき楽観、市場にリスク回避の動き
ロイター通信:米政府、ファニーメイとフレディマックを政府管理下に

その後、リーマンショックを経て事態は沈静化したはずだったのですが、彼らは相変わらず政府にお金を出せと迫っています。
これについての意見がありました。

まず私のスタンスとしてハッキリさせて置きたいのは「歴史は繰り返す」と言う事です。
国が違えば文化も風習も考え方も違いますし、其処に行き着く因果関係も違います。

しかし見ていると大体の場合において、過去にどこかで起きた事と似ています
自分達はそうならないようにしようと考えても、これを回避するのは難しく、結局周囲に押し切られて同じ道を辿る事になります。
不思議なものです。

現在のアメリカも、かつての日本と似たような空気が蔓延しているように見えます。
政府は住宅価格とそれに付随する資産価格を維持する為に、税金を使ったり変な金融商品を作ったりして「兎に角借りてください」と促します。

しかし、雇用が安定せず収入も乏しいとなると、人々は「将来に希望が持てない」とか悲観的なことを言い出し、住宅を買おうとはしません。
結果、金融市場とは逆行して住宅金利と地価はジリジリ下がります。
需要が無い所に無理矢理借金をさせようとしても、のれんに腕押しなのに。
儲かるのは金持ちと大企業ばかりです。

一方保障された企業達はと言うと、"どうせ最後は国が何とかしてくれるんでしょ"的な空気が蔓延し、国民の為と言う美名の下、無駄をドンドン拡大していきます。
政府の支援金とお達しもあったりするので、鬼に金棒です。

かくして税金は浪費され、後に残るのは借金の山、と言う訳です。
ついでに賄賂などもはびこり、腐っていくばかり。
人間のやる事というものは、今も昔も右も左も変わらないんですね。

US Debt Clock.org
WSJ.com:汚職が招いたギリシャ危機

政府はある程度の段階で馴れ合いを止め、こういった暗黙の政府保証と、どこかの段階で決別すべきだと思います。

当然彼らも反対するでしょうし、投資家も国債を一時的に投売りするでしょうが、どこかで線を引かないと、なし崩し的に債務が増えてしまいます。
ついでに"上場している実質国営の会社"みたいな変なポジションもやめるできです。

理経済:公私を分ける難しさ

しかも"暗黙の政府保証"とは言い換えれば隠れた債務ですから、ばれた時に収集がつかなくなります。

また国民も怒るでしょうが、結果として国民にとって何が得なのか、矢面に立ってしっかり話し合うべきでしょう。
それをしないで、何とか金融政策とかで収集しようと逃げ回るから、歴史を繰り返すのだと思います。

とまあ、これが私の考えです。
これでコメントをしてくださった方が納得してくれるかどうかは分かりませんし、たとえ納得していただいたとしてもその事に意味があるとも思いません。

肝心なのは、その事柄についてよく考え、自分なりの意見を持っている事だと思います。
知らない事があったならばそれを受け入れたうえで、意見を修正すれば良いのです。
複数の立場と意見が存在する、それが民主主義の欠点であり利点です。

考えが無い為何となく流されるとか、肝心な時に自分の意見が言えないというのが一番問題だと思います。
今の日本が混迷しているのは、案外考えてないからなのかもしれませんね。

理経済:官僚の、正体見たり、・・・ - 政権交代など意味がない

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コメント

同じ事実を見て違う結論が出るのは仕方ないが、やや悲観すぎると思われます。マスコミ記事を鵜呑みにするのはやや危険かと。

米国が日本と同じデフレの道をたどると言う点について、今結論を出すのは早く、来年まで待たねばならい問題と思います。

住宅価格については、分析家は今年いっぱいか来年春ごろまで下がって、その後上昇に転じるという人が多いですよ。
http://www.realtor.org/research/research/reportsstatistics
のMarket Forcast

http://ir.moodys.com/presentations.cfm
のInvestor day Apr 1のプレゼン資料10
足元は、GSEの一角、フレディマックの資料
http://www.freddiemac.com/investors/
の2010年1Qの
Financial Results Supplement
のP13
などを見ても住宅価格は上昇している地域すらあります。

より細かく見ると、庶民の低価格層の住格は下げ止まり感が強く、高級住宅の値下げが激しいようです(金利だけ払って、元本は5年猶予とかそういったタイプ)。

ただし、4月で切れた税控除の影響を今予測するのは難しいですが、あっちの人は結構楽観的なケースが多い。

足元の雇用、消費、カードの延滞は最悪期を過ぎており、回復に向かいつつあります(回復できるかは私にもわかりませんが)。
仮にV字回復した場合は、今回の措置が大英断になる。

借金が残っても、国が成長すれば結果オーライになる。借金をいっぱいつくても、年収が増えれば許容量が増える。
日本は税収が増えなかった。名目GDPが伸びなかった。これはアジアの国と耐久消費財の価格競争に巻き込まれたから。

アメリカは、経済が構造改革され、付加価値高いサービスで抜きんでた(グーグルとかインテルと化)。技術革新をリードできた(これからも出来るかはわかりませんが)。


今結論を急ぐと、同じ個人投資家として、将来悔やむ結果になる可能性がある。

モラルハザードとして、汚点を残すか、大英断とされるか紙一重で180度結果が変わる。

ちなみに日本もそろそろデフレを脱却する可能性すらあります。
http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/pi/cgpi/index.htm
の企業物価指数公表データをみると、昨年終わりから徐々に企業物価の改善が見られます。P2のグラフ等。2005年当時より上がってますね。
新聞で「デフレ脱出か」なんて記事を私は見たことがありません。
もっとも輸入価格が高くなっていて、あまりよい傾向とも言えませんが(価格転嫁するのに時間がかかる)

投稿: | 2010年5月19日 (水) 18時44分

コメント有難うございます。

>やや悲観すぎる
私自身も時々そう思います。
投資家なので天邪鬼なのですが、全体的に悲観バイアスが掛かっているのは否めません。

仰るとおり、結論を急ぎすぎるのよくありません。
一連の政策は紙一重であり、状況次第でよい方にも悪い方にも転びます。
私は失業率の高止まりに対して、有効な手を打てていない事を不安視していますが、
これが悪い方に転ぶ原因なのかは、10年位経たないと分かりません。

日本は悪い方に転び、20年沈没していました。
偉い学者様方は度々景気底打ちを予想していましたが、
少なくともこの20年は何もありませんでした。

アメリカが今後もグーグルやインテルのような企業を輩出し、
借金を返済できると良いのですが、ちょっと不安です。

投稿: なる | 2010年5月22日 (土) 23時49分

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