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不便はチャンス② - 貴重な個人情報

シリーズ2回目です。
今回は宅急便のお話です。

理経済:不便はチャンス - 小さい電子レンジ

先日、ヤマトに再配達をお願いしました。
私は佐川カンガルー派ですが、相手がヤマトで送ってくるので仕方ありません。

このヤマト運輸滅茶苦茶融通が利きません
時間に正確と言えば聞こえがは良いですが、それが必ずしも顧客にとってありがたい話とは限りません。

佐川やカンガルーは担当と仲良くなると、最後に配達してくれたり、比較的早めに来てくれたりと時間が読み易く、重宝します
最初はヤマトの担当と相性が悪かったのかなとも思ったのですが、どうもそういうことではないようです。

Yahoo!知恵袋:ヤマトの再配達で20~21時間で頼んだらヤマトが8時1分に来

ここでも議論されていますが、確かに指定した時間にいない顧客も悪いと思います。
担当からすれば、「言われた通り来たのに、居ないのはどういうことかannoy」と言いたくなるのも分かります。
自分がやられても同じ事を考えるでしょう。

とは言え、元々この時間枠は運輸業者側が決めた区切りですから、押し付けられた消費者は不満が募り、ネットで愚痴ったりする事になります。
おそらく似たような不満や経験がある方は少なくないのではないでしょうか?

業者に非が無いのは確かですが、これでは業者も消費者もこのヤローで喧嘩別れになります。
お互い不幸ですね。
しかし得てしてこういう歪みや不満が次のビジネスチャンスになります

即ち、如何に顧客の要望を読み取り先回りできるかがサービスの優劣を決める訳です。
値段が安く、毎回タイムリーに配達してくれる運送業者って、魅力的だと思いませんか?
それが合理的に可能になるならば、これは新規参入やシェア拡大のチャンスです。

まずタイムリーに配送を行う為に、現在行っている配送ルート最適化に"居住時間"の項目を追加すべきです。
居ない事が分かっているのなら、その時間そこに行くのは浪費以外の何ものでもありません。

ここ数十年の話ですが、コンピューターの発達と低価格化により、誰もが複雑な計算を一瞬でできるようなりました。

これによりいくつもの項を持つ数理計画を難なく解けるようになりました。
倉庫や配達拠点、今日の配達先などを入力すると、最短かつ最もコストの低いルートを弾き出します。

配送ルート最適化

IBM東京基礎研究所:ロジスティックス最適化

多分、4コアとか積んだ現代の高性能家庭用PCなら、ものの数秒で一県全体の配送ルート最適解が求められるでしょう。
今のパソコンは明らかにオーバースペックですからね。
先日父に頼まれて作った930iのPCも、真価の10分の1も出せていないんだろうなorz

また、道路では渋滞が予想できないと思われる方もいらっしゃるでしょうが、渋滞も科学されており、ある程度予想できます
拠点のネットワークや公共機関の情報を統合すれば、かなり迅速に対応方法を配信できるでしょう。

渋滞予測

大阪大学:フェロモンコミュニケーションモデルによる 短期的渋滞予測システムの構築 PDF

このように、最適解を導く方法は充実しています。
それでも前述のような不満が溜まるのは、おそらく不在の記録が曖昧だからだと思います。

不在だった場合、業者はその指定時刻と配達時刻を記録しているのでしょうか?
ご丁寧に不在票には時間を書いてくれますが、それは会社に伝わっていますか?
勿論仕事やら何やらの都合で、顧客の在宅時間は変わってくるでしょうが、傾向は出るはずです。
例えば平日は遅く、土日は休みとか。

これが分かればそれだけでルートを修正できます。
平日遅めの指定なら配送を遅めにし、加えて過去の例から20:30に居る確率は30%だからその時間に行くには…、逆に休日指定なら早めでもOKとか。
これだけで随分顧客の不満は減るでしょう。

更に時間の浪費も少なくできます
皆が遅くに帰るなら、その時間に合わせて従業員を割り当てますし、集中する時間があるならそこの配達員を厚くします。

サービスを提供する相手が居る時は対応しますが、それ以外は別のことをしていてもかまいません。
伝票整理や倉庫での作業を割り当てる方法が有ります。
これにより無駄な時間と人件費、そして軽油代がケチれます。
上手くすれば倉庫の地代もケチれるかもしれません。

更にここで得られた居住時間帯は、門外不出の最重要個人情報になります
だって、誰がどの時間にいるか分かるんですよ?
営業職の人には涎物ですし、泥棒にとっては宝のリストです。

個人情報に当るのかはグレーですが、このリストを活用すれば新たな事業もできそうです。
特に郵政みたいに郵便事業とその他がくっ付いているなら、使い方は色々ありそうです。
銀行の営業時間とか、簡保の売込みとか。
チャンスの種はつきません。

続く…
理経済:不便はチャンス③ - 砂糖の味

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コメント

理経済さん、
いつも拝見させていただいています。

私は以前大手宅配業者で働いていて
(お客さまに暴言を吐いてしまい
 会社にいられなくなりましたが)
あの業界の事は結構知っておりますよ。
買ってくれる人がいるなら本1冊書けるとは思います。

8時1分ですか?
そうしたいのはヤマヤマですが
当時もそういう苦情はありました。
私はその辺を踏まえて
8時7分とか10分とかまで時間を潰してましたね。
それでも同様なクレームのお客さんもいて、
そういう人には8時15分位まで待機してました。
お客さんも8時30分まで待っても
急な残業なのか居ない時もありますけど
それはお互いしょうがないと思いますね。
エリアによっては23時頃に
配達と思しき車を見た事もありますし
場所によりますね。
朝は職場によるでしょうけど7時あたりから仕事が始まるし、
残業時間なので夜の配達は
極力早く終わればありがたいという事でしょう。
今は多少違うかもしれませんけど
当時はセールスドラーバーと言っても
正社員が大部分だったので残業は一律、
長時間労働で歩合給を稼ぐという所が
お客さんの利益と相反する所だったかもしれません。
一人労働時間が突出して長い事がもしあれば
翌月その人の労働時間を減らして
他の人を年間の労働時間を揃えようとしますから
歩合がその分減る仕掛けですした。

組織自体も利益追求ですから
私など「歩合はいいです。」と言ったら
当時の所長など本当に7ヶ月歩合給を支給しませんでした。
100万円以上あの会社には貸しがあると思っています。
給料は各種施策で減る一方、
競合との競争は増すばかりなのに会社はなぜか増収増益。
その分が大口客の値引き原資になっていたのかもしれません。

さて、理経済さんの結論とは違うようですけど
受け取りをどうしていくかですが
最近はオフィス街などでは
各業者のセンターが出店しているんで
小さい物ならそちらの留め置きにするという方法もあります。
もちろん配達するまでの料金なのに
客が店に足を運ぶのは不快という
考えもあるかもしれませんし
大きな荷物は家まで持って帰れません。
後はもし泥棒の心配が少ない所なら
ドアなどに袋とかハンコを用意して置いていくように
個人的によく話しをしておくかでしょうか。
会社では厳禁事項でしたが
長年そうやって不便を解消しているお客さんも時々いました。

終わりに、私はやっぱりゆうパックがいいですね。
個人でもレターパック(かつてのEXパック)で
小さい物なら割安ですし場所にもよりますけど
出向けば遅い時間や24時間受け取りが
できるんで便利ですよね。
けど、バイトで働いた感じ限りでは
バイトとしてはそんなにいいとは思いませんでしたが。。。

投稿: sonohigurashi | 2010年5月26日 (水) 21時18分

コメント有難うございます。

>時間を潰してました
待ち合わせは難しいですね。
早く行けば怒られ、遅く行っても怒られます。
だからといって時間を浪費すればコスト増になる。
中々上手くいきません。

この辺を上手く解消すればそれだけでコストを下げられます。
コストカットというと首切りという風潮がありますが、
本当はそれより先にやる事があるのですね。
経営者も労働者も。

例えば集配センターについてですが、
コメントで書かれているような小規模センターのみでなく、
コンビニと定型し間借りする方法も有ります。
コンビニでアマゾンなどの荷物を保管していたりしますが、
この契約を拡充し、
通常の荷物も少量だけ置かせてもらいます。

何所に何があるかがはっきりしていれば、
より適切な場所に集配物を集め、配達できます。
大型の倉庫も少なくできますし、大型の配達車も削減できます。
「使った分だけ払う」ことができ、倉庫代等がケチれます。
人の集中等かもやりやすくなるでしょう。

仰るとおり費者は自身のできる範囲で工夫をし不便を解消しています。
それだけ労力を使っている訳です。
上手い事やればこの労力を解消し、「サービス」に繋げられます。

まあ、努力をしても報われない文化なので、
こういう提案が現場から上がることは少ないでしょうが。
歩合制でも調整されるんですね。
色々損している気がします。

ところで、本が書けるほどの経験がおありでしたら、
書き溜めて出版してみてはいかがでしょうか?
電子書籍のおかげで初期コストがほとんど0で出せます。

英語が話せるならアメリカでダウンロード販売すれば売れるかもしれません。
アメリカだと、配達時間云々以前に来ませんからね。
技術の発達はうまく使った人間が勝つのはいつの時代も誰であっても同じのようです。

投稿: なる | 2010年5月29日 (土) 22時38分

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