行くも地獄、戻るも地獄 - JAL社員の憂鬱
実質国有化されたJALが、大量リストラを実施するそうです。
一般的な上級管理職のみで無く、普通の社員も対象だそうです。
会社更生手続き中の日本航空は9日、現在は上級管理職400人を対象としている早期退職の募集を次長・課長級や一般社員にも拡大すると発表した。整備技術職は50歳以上、それ以外の地上職と客室乗務職は35歳以上、計8600人から応募を受け付ける。
>>日航、早期退職募集を一般社員に拡大
JAL社員にとっては悩ましい選択でしょう。
国有化で企業そのものは存続し批判も大きいですが、内部の人間にとってはまだ地獄の1丁目でしょう。
もしかするとさっさと応じる、割り増し分の交渉をして応じる方が得かもしれませんね。
今回のリストラは、あくまで"希望退職"なので、希望しなければ会社に残ることも出来るでしょう。
日本人の感覚からすればリストラは避けたいものですが、この選択の方が普通だと思います。
ただ、03年に国有化されたりそな銀行の事例を見ると、残ってもいい事は無さそうです。
まずは年収です。
りそな銀行の年収をネットで調べてみると、かなりバラつきがあります。
概ね800万円くらいのようですが、新聞や雑誌を見るともっとずっと低いようです。
年収ラボ:りそな銀行
『<あなたの値段>りそな 年収3割減、人生設計崩れ』(毎日新聞)
プレジデントロイター(09.11.16号)によると、45歳係長で年収500万円、手取りが月13万円だそうです。
バラつきが多すぎてよく分かりませんが、どうも他企業より低めなようです(こういうところに報道機関の強みがあるんですがね)。
また年金も問題が山積しています。
りそな銀行もJAL同様年金の減額をしました。
当時はOBの賛成が8割だったそうですが、残りの2割が"不当だ!"と騒ぎ出し、訴訟に発展しました。
国有化からもう7年も経つのに未だに決着が付いていません。
去年の6月に最高裁に上告したそうですから、判決が出るまであと1,2年はかかるでしょう。
本業に邁進せねばならないのに、余計なところで体力を使わねばならないのですね。
おそらくJALでも似たような訴訟が起こると思います。
リストラは周りから見ると酷い話のように思えますが、今回の場合は案外そうでもなさそうです。
どちらに行っても、苦労が絶えないのは変わらないようです。
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