郵政の社員は皆正社員になれるらしい - 日本郵政の利益
郵政大臣の亀井さんが、日本郵政の社員を全員正社員にすると言っています。
亀井静香金融・郵政担当相は3日夕、郵政事業の見直しについて「非正規社員の中で正規社員を希望する人は正社員にする」と述べ、日本郵政グループが抱えるパートやアルバイトなどの非正規の社員のうち希望者はすべて正社員にする意向を明らかにした。
>>亀井金融相「郵政の非正規社員、希望者すべて正社員に」
うへー、相変わらず予想の右斜め上を行く凄い提案をしますね。
朝日新聞によると、郵政の非正規社員は20万人もいるそうです。
これを一気に所謂正社員にし、給料を一気に上げ変動費を固定費にするとなると、大変なことになりそうですね。
具体的には、例えば営業利益率の激減が起こるでしょう。
営業利益とは、ざっくり言うと売上(≒売れた商品の総額)から人件費を引いた額です。
利益というと投資家視点と思われそうですが、そうでもありません。
会社が利益を出せないということは、不況で赤字になれば直ぐに首切りが起こる、ということでもあります。
利益は、視点を変えると雇用の糊代とも言えます。
郵政の平成21年度決算を見ると、連結の人件費は約2兆4000億円だそうです。
大雑把に非正規社員が全社員の半分、給料は正社員の半分だとすると、全員正社員にすれば人件費は1.333…倍になります(2÷1.5)。
金額にして8000億円の負担増です。
郵政の純利益は4000億円の黒字ですから、来期は4000億円の大赤字に転落ですね。
しかも退職金やら何やらを積むので、別途資金が必要になるでしょう。
ただでさえ利益率2%と放漫経営なのに…
実現すれば第2のJALになりそうです。
ところでYahoo!ログールによれば、当ブログの読者はほぼ100%20代男性の大学生だそうです。
という事は、現在就職活動真っ盛りですね。
授業をおっぽり出し、慣れないスーツに身を包んで連日説明会に参加していることでしょう。
早いところではもう面接が始まっているのではないでしょうか?
私も一昨年は似たような事をしていました。
さて、企業を選ぶ方法はいろいろ有ります。
大企業のブランド、業界研究、相性、両親の職種等色々あるでしょう。
一般的な企業選定法は皆さんがお持ちの就活本に任せるとして、今回はちょっとだけ投資家的視点の駄目企業選定法をアドバイスします。
なお、投資家視点なので基本上場企業でないと判断できません。
非上場だと情報が少なすぎます。
何所の国でもそうでしょうが、大企業の中にも地雷があります。
下手に踏んずけると、倒産したり首切りにあったりします。
これを見分ける方法の一つを教えます。
やり方は簡単です。
営業利益率を見ればいいのです。
今回の話で述べたとおり、「利益は雇用の糊代」ですから、利益率が低い⇒雇用抑制をし易いと考えられます。
一概には言えませんが、地雷原である可能性があるのでお勧めできません。
少なくとも、様々な視点からより精査する必要が有ります。
業種によって利益率は違いますが、明らかに低い業界や業界平均と比較して明らかに低い企業はヤバイと思います。
例えば(なぜか)人気の総合商社は、利益率が低いことで有名です。
業界動向サーチ:総合商社業界 利益率ランキング(平成20年)
各種利益率の業界平均は、ネットで検索すれば個人投資家やアナリストが詳細にまとめていますし、見難いですが東証のサイトでも公開されています。
折角就職するんですから、潰れそうな会社は避けた方が良いと思います。
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