流行りと廃り③ - 変わらないもの
シリーズ3回目です。
前回はmixiの事例から、「現在の事業を維持」をしない方がいいという理由と、「持ち株をIPO直後に売却」をした方がいい理由を述べました。
理経済:流行りと廃り① - Twitterの将来
理経済:流行りと廃り② - mixiの場合
会社が黒字化して半年程度が最も脂がのったときであり、会社は売るならここが絶好のタイミングです。
其処から後は衰退するのみですから、現状維持も適切ではないでしょう。
最も未来があるのは「現在の事業から脱皮する」事だと思います。
どんなものでも流行りがあれば廃りも有ります。
mixiもTwitterも所詮は人間を取巻くツールの一つにすぎません。
食器で言えば十得ナイフのようなものです。
人間は食べないと生きていけないわけですが、食事の時には大概食器に盛られて出てきます。
食器にも色々有り、皿や箸のようなメジャーなものや先割れスプーンのような微妙な知名度の食器も有ります。
mixiやTwitterはこれ等よりさらに知名度の低い食器の一つです。
たまに流行って使われることはあるかもしれませんが、長年使われて愛されてきた箸やスプーンにはかないません。
また、皿は箸やスプーンに関わらず、大概の料理には一緒についてきます。
流行りが去ったら人々の頭の中からも消え去っているでしょう。
思うに、箸や皿のような極めて長く生き続けるものというのは、案外地味です。
文字通り空気のような存在であり、あるのが当たり前です。
ですから突然無くなったり、課税されたりすると改めてその重要性が認識されます(そしてまたすぐ忘れられます)。
例えば食料問題が急上昇し、"食べられない"という状況になると途端に話題になります。
食品偽装問題や食料価格が高騰すると「生活実感が厳しい」とか「偽装なんてとんでもない」という話になります。
ガソリンの暫定税率も、ずっと昔から有ったのに意識されないうちは問題視されず、話題になると怒りの声が上がります。
産業で言えば、例えばタバコです。
今現在タバコを吸っている人は、Twitterが廃れようがアメーバピグが流行ろうがお構い無しに吸われるでしょう。
税率が上がっても、ピーピー言いながら吸い続けると思います。
ネット関係で言えばDBMS(≒データ管理ソフト)系です。
彼らはネット業界における皿のような存在です。
人間が個を識別するようになって以来、名前やらIDやらを常に使っています。
これはmixiでもTwitterでも同じことです。
オラクルのOracleDBとMySQL、マイクロソフトのMsSQLServerあたりは非常に有名です。
顧客管理やログインを必要とするホームページには、必ずといっていいほど使われています。
商品管理にも役に立ちます。
IT系の人間には非常に馴染み深いソフトであり、非常に広範に渡って使われています。
おそらくmixiもTwitterも使っているでしょう。
直接間接含めれば、DBMSを使ったことがない人なんて、この世にいないんじゃないですかね?
これ等の企業は結構地味な為意外と知られていません。
「オラクルって何?」みたいな話は時折聞きます。
また、「Marlboro」という名前は知っていても、「フィリップモリス」という名前はあまり知られていません。
しかし人間の生活や時代が変わっても、そうそう消えることはないでしょう。
10年後、どんな社会になっているか、どんな物が流行っているのかよく分かりませんが、タバコもDBMSも、きっと使われていることでしょう。
変わらず残るものもあるんですね。
生き残りたいならこういう企業を目指すべきだと思います。
ではTwitter社はどうすべきなのでしょうか?
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