GEの経営に思うこと - 株主と経営者の関係
GEが4Qの決算を出してきました。
減益ながらも市場予想を上回った為、株価は上昇。
ダウに引きずられて上げ幅を縮めましたが、まあそういう事もあります。
ポイントはGEのCEO、ジェフリー・イメルト氏の経営です。
長めの投資を行う人間にとっては、1日1日の株価より、彼等CEOの経営方針のほうが重要です。
ジェフリー・イメルト最高経営責任者(CEO)は金融部門であるGEキャピタルの事業縮小を進めているほか、第4四半期中にメディアグループのNBCユニバーサル部門の大半の売却で合意するなど事業選別を進め、発電設備や医療関連機器、ジェットエンジンなどで受注増を目指している。
>>米GE:10-12月は22%減益、事業の選別化進む
さすが伝説の経営者、ジャック・ウェルチの後釜なだけあります。
私もこの方針に賛成です。
ジェットエンジンは少々微妙な気がしますが、まあいいでしょう。
株主の意向をよく汲み取っているのではないでしょうか?
前々から思っていたのですが、正直実業系の企業が本業そっちのけで金融業に耽るのが腹立たしくて仕方ありませんでした。
金融は大事ですが、それが一つの事業になるほど肥大化するのは我慢なりません。
金融は補佐役です。
金融業は儲かる時は儲かるのですが、損する時はガッツリ損します。
しかも、何か技術が向上するのかそうでもありません。
社内に、よく分からない数式を使って大した意味もない事を正当化する人が増えるだけです。
尤も、こういう状況ではバッサリ切れる変動費なので様様ですが。
金融業は麻薬のようなものです。
本業としてならいざ知らず、ついでにやるには大きすぎます。
今までも、金融が本業を圧迫した事例、いつの間にか本業と摩り替ってしまった事例が有りました。
例えば、潰れたGMを支えていたのは自動車ローンなどの金融業でした。
彼等のおかげで破綻が遅延できたという事もいえますが、逆にその所為で本業に力が入らなかったとも考えられます。
廃人になった例としてはエンロンが有ります。
彼等は本業であるはずの電力業をおろそかにし、先物取引や天候デリバティブに耽りました。
これが社内にも侵食し、負債隠しにも随分肩入れしたようです。
日経BP:エンロン・スキャンダル、誰が「知恵」をつけたのか?
色々調べると電力業も不振だったようですが、この時もそれを覆い隠したのは金融業だったようです。
金融業は麻薬です。
少量に絞り、うまく使えば鎮痛剤になるなど有効ですが、度がすぎればすぐに転落人生です。
極力絞っていく事が望ましいと思います。
イメルトCEOには"物を言う"必要がありませんね。
今後もこの調子で経営してくれる頂ければ、なにも文句はありません。
本来株主と経営者はこういう信頼関係で結ばれてしかるべきなのですけどね。
残念ながらそうでないのが現実です。
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