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年金倒産 - JALの厚生年金基金

ついにJAL破綻しまいました。
世間はJALOBの企業年金の支払いに関して揉めていますが、実はもう一つ企業年金に絡んだ問題が有ります
今回はそんな話。

理経済:JALも倒産か… 若者の日本離れ

彼らの敗因は色々有ります。
よく言われるのはレガシーコスト負の遺産です。
年金給付型年金の確定利回りが高すぎて、到底払えなくなったわけです。
構図としては米国のGM、古くは生保業界の予定利率引下げと同じです。

泣く子も黙る生命保険講座:生命保険金予定利率引き下げの実際のシミュレーション
理経済:正社員と非正規社員 - 年金の利回り格差

年金を当てにしていた社員や、OBにはたまったものではありません。
OBの中には結構ゴージャスな生活をしていたようですから、其処まで同情は出来ませんが、現状の社員はそのトバッチリを食らっているのでかわいそうです。
これが現在騒がれている年金問題です。

もう一つの年金問題は「厚生年金基金の代行返上」です。
場合によっては、他の航空業界や部品会社に火の粉が飛ぶかもしれません。

一般に、企業が加入する年金は3種類有ります。
普通はこれ等を一まとめに「年金」と言いますが、実は種類があるのです。

国民年金と厚生年金

社会保険庁:年金制度のしくみ

この代行部分大雑把に言うと、厚労省が(勝手に)厚生年金の一部を貸し付けてきて「運用してね」と言ってくる制度です。
正確には「貸付」では無く業務の「代行」ですが、最後には返さねばならないので貸付大差ないです。

厚生年金基金

e-年金.jp:厚生年金基金とは

JALも厚生年金基金を設立しているので、代行部分が存在すると思います。
倒産時に、この代行部分に穴が開いていると、その分を補填せねばなりません。
この補填が、状況によっては同業他社に飛び火し、それにより連鎖倒産が起きる可能性が有ります。
所謂年金倒産です。

(株)日本生活設計:年金倒産 兵庫県乗用自動車年金基金の場合

厚生年金基金には「愛知県トラック事業」や「秋田県病院」など、同業の中小企業が加入するものも多く有ります。
加入者の一部が倒産して代行部分に穴が開くと、その補填は同じ厚生年金基金加入社が行うことになります。

「この前山田さんの会社が潰れたんだって、大変だな。」とか言っていたら、突然厚労省の役人が来て「基金加入者は追加で71億円支払ってください」とか言って来るんですから、たまったものではありません。

幸い、JALの厚生年金は独立しているようなので、穴が開いたからといって直ちにANAスカイマークが影響を受けるとは思えません。
おそらく彼らのところに話が行く前に、まず銀行団が債権免除の形で涙を流すでしょう。
しかし、話が纏まっていく段階でそういう事になる可能性は有ります。

そして払われなければ国民の税金が消費されて終了です。
どう転んでも碌な事にならないわけです。
これが第2のJAL年金問題です。

ちなみに、こんな訳分からない仕組みを作ったのは勿論厚労省です。
理由は天下りの為。
まずこういった、昔から行われている悪習を仕分けした方が良かったんじゃないですかね?
こういう規制はさっさと撤廃した方が良いです。

(株)日本生活設計:企業年金連合会代行返上に異論賛同

追記:
日航は2007年初頭に代行部分の返上(代行返上)を行っていました。
このためJALには厚生年金基金がなく、代わりに企業年金があるそうです。
このため国民の年金は空きません。
早とちりですみませんヾ(_ _*)ハンセイ・・・

Photo

随筆(My Essays):企業年金-積み立て不足で会社は火の車
(株)日本生活設計:JAL企業年金減額、なにが問題なのか?(その3)

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