行列オプションを考える② - 経験則からの予想価格推移
シリーズ第2回です。
今回は行列オプションの、経験則からの予想価格です。
式から予測ではなく、一般的な経験論からどんな価格になるのかを見ていきます。
いわば実験結果です。
なお、断りがない限りロングコールで考えます(←分からない方は特に気にしなくていいです)。
なお、前回書き忘れた"行列オプション(英語で言うと Line Optionですかね)"の内容ですが、「ある列における、ある順番αの権利」です。
この権利=オプションはL(α)の価格を持つはずです。
理経済:"行列"オプションを考える① - コミケに行ってきました
私の予想では以下のような価格推移になるはずです。
縦軸は原資産に対する上昇率です。
原資産の価格にあわせて絶対額(=行列オプションの価格)も上下します。
経験的に言って3~4割程度です。
横軸は後ろに並んだ人数です。
並んでいる人が多いほど、前方の行列オプションは価値を増します。
グッズが完売すると価値は無くなりますが、完売後にヤフオクで一部が流出します。
これは「買える並びの最後尾」に並んだときと同じ効能があると考えます。
そうすると行列オプションの最高値は、ヤフオクでの付加価値分+郵送料になります。
おそらく計算の都合上、無限遠でこの価格に収束するように設定することになるでしょう。
理屈で考えれば、グッズを買ってヤフオクで転売するより、並んでいる最中に順番を売却する方が、郵送料の分だけ利益が出るはずです。
いたって単純な図式です。
株価と同じですね。
株価も所詮「ラーメン屋の行列」ですからね。
この価格は、グッズの在庫状況に応じて大きく変化します。
グッズ自体に限りは有りますが、どれ程あるのかプレイヤーにはわかりません。
順番を買い取れば入手確率が上昇しますが、それで買えなければオプションの代金分損をしますし、在庫が大量に有り順番を買わずとも入手できたのであればやはり損が出ます。
プレイヤーはサークルの規模や例年の状況、人気の程等を鑑み在庫の読みあいをすることになります。
株等の一般的なオプションで言えば、在庫は満期T、人気等はボラティリティσに相当します。
普通、オプション取引では満期は予め分かっていますから、ボラティリティのみの読みあいになります。
しかし、行列オプションでは満期も分からないので、ここも予想せねばなりません。
この分だけ普通のオプションより難解になります。
しかも、グッズ自体は一つのサークルに複数有り、各々で在庫数が違う為、予想は更に困難です。
ではこれを理論的に解釈するとどうなるのでしょうか。
こちらはオプション理論で一般的なブラック・ショールズの公式を解いて出した、オプションの理論価格です。
今回のテーマにあわせ、満期別になっております。
条件は以下の通りです。
原資産の現在価格S | 40$ |
権利行使価格K | 40$ |
市場金利r | 0.1(10%/年) |
ボラティリティσ | 0.25(25%) |
現資産価格Sと権利行使価格Kを等しくしたので、満期日のオプション価格はゼロです。
また、話がややこしくなる為ボラティリティも一定とします。
満期は3,6,9ヶ月の3パターンを用意し、1ヶ月30日、一年360日で勘定しました。
なお、ブラックショールズのエクセル用テンプレートは以下のサイトからダウンロードできます。
オプション価格は、満期日から遠いと時間に比例して減少しますが、満期付近になると急激に落ち込みます。
ここから理論的に類推していきます。
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