類似画像検索の使い道 おまけ - 正規分布とべき乗分布
類似画像検索使用法の外伝です。
金融工学者と経済物理学者の間で揉めている問題と、類似画像検索がそれに影響されないという事についてです。
理経済:類似画像検索の使い道 - テクニカル分析
理経済:類似画像検索の使い道② - テクニカル分析とモンテカルロ法
揉め事とは何かというと、金融モデルの基盤となるボラティリティの算出方法についてです。
一般に、金融工学では正規分布を、経済物理学ではべき分布を使います。
(確か正規分布はベキ分布の一種だったと思います。記憶が曖昧ですいません)
どちらの分布を使用するかによって、結果が随分変わってきます。
現在の金融工学は主に正規分布を使用しているのですが、現実の市場を見てみると随分と振る舞いが違います。
こちら↓を御覧ください。
これは、経済物理学の第一人者であるべノワ・マンデルブロが実験に使った擬似グラフです。
2つが本物のチャートで、一つが古典的金融工学による擬似グラフ、もう一つがマンデルブロの作ったベキ分布型擬似グラフです。
どれがどれだか区別が付くか、という実験です。
正解は①(IBM)と③(ドル/マルク)が本物、②が古典金融工学、④がベキ分布型擬似グラフです。
これをボラティリティで見ると②だけ異質であることが分かります。
ここで経済物理学者と金融工学者の間で揉めている訳です。
旧来の正規分布ではなく、ベキ分布を使う方がいいのではというのが大勢です。
ただ、銘柄の中には②のチャート以上に安定的な銘柄も多く、本当のところ何所まで正規分布が間違っているのかも悩みどころです。
さて、この論争の決着ですが、これはよく分かりません。
しかし類似画像検索によるテクニカル分析は、これに左右されません。
類似画像検索は市場から得たデータによる、"経験論"を活かす訳ですから、仮にどちらの理論が正しいにせよ間違っているにせよ、それほど影響を受けないでしょう。
こういう点でもメリットがあるんです。
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