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ムーアのキャピタリズムを見てきました

辛辣な批評ドキュメンタリーで有名なマイケル・ムーア氏の最新作、「キャピタリズム~マネーは踊る~」を見てきました。
元々興行収益が見込めなかったのか、現在日本で2箇所(有楽町、梅田)しかやっていませんでした。
幸いそれほど遠くなかった為、ノコノコ見に行きました(年明けから順次上映映画館が増えるそうです)

DIAMOND:キャピタリズム~マネーは踊る~
キャピタリズム~マネーは踊る~ 公式サイト

相変わらず思うのですが、この人の行動力は凄いですね。
財務省の幹部に、「公的資金の用途が知りたいならポールソンに聞いてみたら
"(((( ´,,_ゝ`)))) ププッ 」
と言われたムーアは、本当にポールソンの事務所に電話をしていました

他にも「国民の金を返せ!」とゴールドマン本社やAIGのところにトラックで乗り込んだりとてんやわんやです。

さて本題の中身ですが、彼らしくニュースには上がらないような光景を撮影していました。
初めは差し押さえ不動産の行政代執行から始まります。
7台のパトカーが押し寄せ、何の抵抗もしない一般人の家の裏口を、ハンマーで蹴破るシーンは、いきなりショッキングです。

他にも、米国の飛行機パイロットの年収が2万ドルであり、学生は職を得る為に10万ドル近い借金をして大学に通っているという事実や、会社側が従業員(アルバイト含む)に数十万ドルの多額の保険(くたばった農民保険)をかけているなどかなり衝撃的な内容でした。
"強欲"は米国中に蔓延していることがよく分かります。

弁護士任官どどいつ集:政治・宗教 秘するが花か? 言えば誰もが むきになる
Dead Peasants Insurance FAQ

この「くたばった農民保険」は特にまずいですね。
同義的にもそうですが、死亡債と組み合わせることで従業者の保険という長期の固定負債が流動負債に変わってしまう可能性があるからです。
この辺については今度書きます。

理経済:咽元過ぎれば熱さを忘れる③ - 死亡債の価格変動要因

また、当時(多分今も)投資銀行がいかに怪しげな商品を売っていたかがよく分かるシーンも有りました。
リーマンの元重役がインタビューに答えてくれたので、ムーア監督は彼にこんな質問をしました。

ムーア:「オプションとかデリバティブってなんですか?」
重役:「それは株式とかの派生商品で、二次方程式で解ける仕組みさ」
ムーア:「……?」
重役:「つまりその…、なんというか…、例えば君がローンを組んだとして…」
ムーア:「???」

自分で理解できないようなもの売るなよorz
オプションとは大雑把に言えば「予約した時に貰える引換券」です。
皆さんもゲームとか予約すると、引換券やら引き換えメールやらを貰いますよね?
あれがオプションです。

ウォール街では、あれに(なぜか)値段を付けて売買しています。
もっと詳しく知りたい方はこちらを御覧ください。

証券用語辞典:オプション
理の世界:確率過程とオプションの理論価格 PDF

まあ、理解できないのが普通ですし、理解できないからこそ質問されると説明できないんですね( ´Д`) <はぁー

映画全体の構成としては概ね労働者の悲痛と、民主主義が「金がすべて」の金融資本主義に変わったこと、そして今再び民衆が立ち上がろうとしていること、富裕層はそれを恐れているという内容です。

米国では、1%の人間が95%の一般人の合計より多くの富を持っているそうです。
しかし、投票権は1人一票なので民主的な選挙をされると脆弱という訳です。

プルトノミー(Plutonomy)
Citigroup 2006: America - A Modern Day Plutonomy

何時の時代も民衆の力は大きいという訳です。

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