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資本主義と社会主義③ - 欲望と理想の狭間で

シリーズ最終回です。
今回は本題のなぜ資本主義が勝利したのかということを書きます。

理経済:資本主義と社会主義① - お昼ご飯と富裕層
理経済:資本主義と社会主義② - 嗜好品と貧困国

結論から先に言いますと、「資本主義は消去法的に勝利した」のだと思います。
別に社会主義より資本主義の方が優れていた分けではなく、人間の本質に、より近かったから資本主義が社会を席巻したのだと思います。

今シリーズで見てきたとおり、世界は今も不平等に満ち溢れています
資本主義は終わったとか言われていますが、世界は相変わらず豊かさを望む人々と平等を望む人の間で揺れています。
個々人の心も揺れています。

最近では社会主義に回帰する動きが世界中で起きていますが、これは中々難しいです。
平等にするためには今の生活を捨てるといっても過言ではないほど、多くの犠牲を必要とします

それを拒みつつも豊にあろうとすれば、必ず歪みが生じます。
経済成長があればその歪みも気になりませんが、そうでなければ歪みは多額の借金などの形で現れます。
今も昔も、そして将来も。

結局、資本主義とは豊かさを求める主義、言い換えれば人間の欲望そのものです。
一方の社会主義とは平等を望む主義、人間のある種の理想であると思います。
社会主義的な平等社会が実現しなかったのは、要するに欲が理性を勝ったからな訳です。
映画キャピタリズムでキリスト教の司祭達が「資本主義はイエスの教えに反する」と言っていましたが、まあそうなりますわな。

一部では「資本主義は終わった」等と言われていますが、未だに金は飛び交い、世界には欲望が渦巻いています。

CNET:なぜ資本主義が終わっていると認識されていないのか

プラウト主義なんて新出単語も出てきましたが、欲望と平等の対立は彼是2,3000年続いている訳ですから、たった数年の出来事で瓦解するとは到底思えません。
今起こっているのは社会主義と資本主義のブレンド比率が変わっただけだと思います。

シリーズ冒頭で世界恐慌の始まりと事件の風化から、教訓が無いと述べました。
何かが起こるとすぐ「○○は終わった!」という声が叫ばれ、新しい用語が生まれますが、そうやって物事を反省しないから全く先に進まず、「過去から学ばない」といろんな人から非難されるんです。
これを認識するだけで、人間も経済も一歩先に進むと思うのですが、現実は上手くはいかないようです。

時代遅れになるような原則は、原則じゃありません
ウォーレン・バフェット

ところで、時々社会主義=独裁主義、資本主義=民主主義と考える人がいるようですが、これは不正確です。
民主主義、独裁主義は政治的な体制の話であり、資本主義、社会主義は経済的な話です。
ですから社会主義的な民主主義国(例:日本)があってもいいし、資本主義的な独裁主義(例:中国)があってもいいんですね。

個々人の欲を抑え、我慢を必要とする社会主義国ではどうしても強制的な圧力が必要になります。
その結果として政府などが強い権限を持つことになるのです。

goo:なぜ社会主義国は一党独裁なのか

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追記:
最近では教訓を活かそうとする人が増えてきているようです。

CNN:米国民56%、景気回復より財政赤字解消が重要 世論調査

アラブ諸国も似たような考えになってきているようで、とても喜ばしいことです。
後はどれだけの国が追随するかと、持続力の問題ですかね。

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