資産バブルの行き着く先③ - 借金した結果
旅行に行っていた関係で随分間が空いてしまいました。
資金供給の駄目さを示そうとするシリーズです。
理経済:資産バブルの行き着く先① - FDICまでTARP批判
理経済:資産バブルの行き着く先② - お金をばら撒く理由
経済学の教科書に真っ向から反対するような意見ですから、ゆっくり書いても大丈夫だろう、と思っていたのですが、日経新聞のコメンテーターが同じことを言い出しました。
最近日経とネタが被りますね。
パクられてるのかなww
だったらヤフー先生やまぐまぐ先生みたいにブログ宣伝してくれ(笑)
さて、(半分)冗談はさておき、本題に入ります。
主題は金融緩和の効果についてです。
日本は借金と言う代償を支払って、多くの金融緩和をしてきました。
しかし、その割にはそれほど効果は無かった、と言うのが私の意見です。
株価は上がらず、地価も上がらず、不良債権問題は棚上げされ、ぶっちゃけ何の効果もありませんでした。
こちらは日本の大よその"地価総額"です↓
以前はパーセントでしたが、今回は金額ベースです。
縦軸が兆円であることに注意してください。
あくまで日本国民と日本国の保有する地価の総額なので、外国人の保有分は入りません。
しかし、日本の不動産業界は閉鎖的で外国人は賃貸でも苦労するそうですから、ほとんど無視できるレベルと思われます。
これを見ると、90年の総量規制以来、延々と下げています。
05年の最安値と比べると、実に1200兆円が吹き飛びました。
この間政府は住宅ローンを借りやすくしたり減税したりと、あれこれ対策をしました。
しかし結果はこの通りです。
最近では底打ち感は出ているものの、今まで積み増した数百兆円分の借金を考えると、本当に意味があったのか、怪しいものです。
借金を積み増していた~05年までは地価が下がり続け、借金を止めた途端に上昇に転じるとは、皮肉なものです。
こちらは消費者物価指数の上昇率です。
地域振興券などで必死に消費刺激策をしましたが、効果があったようには見えません。
フィッチレーティングス:日本の財政:景気後退とデフレで中期的なリスクが高まる (無料会員制)
レポートによると、微妙に上昇して見えるのは生鮮食品とエネルギーの上昇によるもので、これを除くと「1998年9月以降、前年同月比で平均マイナス0.4%となっている」そうです。
世界が好景気だったことを考えると、いくらなんでも低すぎます。
このようなデータから、私はジャブジャブ資金を投入する従来型の経済対策は、意味がないどころか害すらあると考えています。
ちょっとだけ続く…
理経済:資産バブルの行き着く先④ - インフレを輸出する
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コメント
理経済て言葉を始めて知った!
外資によるミニバブルの影響はグラフ上に現れないんだ?
投稿: 不動産コレクター | 2009年11月30日 (月) 23時20分
コメントありがとうございます。
「理経済」はブログ用の造語です
確かにこのグラフでは外資のミニバブルは入っていないでしょう。
入っていても都心や一部観光地の極小額ですから、
1200兆円の総額に埋没してしまうでしょう。
統計は得てして前提条件が有りますから、
それによってグラフも変わってきます。
前提を知らないと"うそ"をつかれるので、気をつけてください。
統計数字を疑う
http://books.rakuten.co.jp/rb/item/4156564/
投稿: なる | 2009年11月30日 (月) 23時29分