資産バブルの行き着く先① - FDICまでTARP批判
今週も米国の地銀が2行潰れました。
これで今年123行目です。
幸いイベリアバンクによって救済買収されましたが、そもそもこのイベリアバンク自体規模が小さいので、何所まで既存部分を助けられるかは疑問です。
今回は現在の資金供与によって世界と日本がどうなるかについて考えます。
これを聞いて怒りを露にしたのが、預金保険公社FDICのシーラ・ベア総裁です。
非難の対象はポールソン財務長官(当時)が行った公的資金注入(TARP)です。
ベアー総裁は「われわれは財務省にこうした資本注入をやめさせようとすることができただろう」と振り返り、「後から考えると、恐らく賢明なことではなかった。ただ当時は適切な措置のようにみえた」と述べた。
>>FDIC総裁:金融機関資本注入へのTARP活用、世間の反発招いた
銀行員と中小企業の人数では、比較になりませんからね。
いくら経済学的に正しいとは言っても、救う対象を間違えると不満が噴出します。
元々資金不足が伝えられており、FDICまで潰れるのではないかと噂されていました。
FDICの保険カバー率は08年初頭から急激に減っています。
預金残高は横ばいですが、あまりに破綻が多いので、お金がぜんぜん足りません。
政府が銀行助ける為の公社なのに、政府に借り入れを検討している始末です。
Walk in the Spirit:管理はどこまで続くのか、NKとFDIC
Bloomberg:【コラム】米預金保険基金枯渇なら納税者にもリスク
いつの世でも、その時の困難を乗り切るためにあらゆる手段を使うものです。
そしてその手段は大概"良さそうに見える"もの。
低金利化、資金供与は確かに良さそうに見え、私も当時は賛同していました。
金利を固辞するECBも非難しました。
しかしその後の展開から、むしろECBの方が正しかったようです。
わかるFX:ECBは政策金利を1.00%に、非標準的政策と今後
世界四季報:マネーサプライ
米国のマネーサプライとはえらい違いです。
借金を積み増してでも銀行を救ったのはやはり失策と言わざるを得ません。
たしかにGM等にもお金を出しましたが、資金量が桁違いです。
他を救済すればもっとマシな結果が出たはずなんですが、今から言ってももう遅いですね。
続く…
理経済:資産バブルの行き着く先② - お金をばら撒く理由
理経済:資産バブルの行き着く先③ - 借金した結果
理経済:資産バブルの行き着く先④ - インフレを輸出する
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