クラウドコンピューティングを活用する③ - 環境設定のあれこれ
シリーズ三回目です。
今回は特にプライベートクラウドの有効活用法についてです。
理経済:クラウドコンピューティングを活用する① - クラウドの欠点
理経済:クラウドコンピューティングを活用する② - プライベートとパブリック
さて、プライベートクラウドを使うとメールなどの基幹機能を守りながら、個々人のPC負担を軽くします。
ここでコストカットできます。
また、初期設定を省けます。
パスワードやPOPの設定も、知らない人には結構大変です。
メーラーの初期設定は、ソフトによって区々な上に、例えばHTML設定を解除する、メールのルールを設定して自動仕分けするなど、小技も複数存在します。
パソコンの知って得する小技集(Outlook Express 6 編)
これ等は知らないと出来ないことですし、知っている人にとっては簡単に出来てしまいます。
私も初めてやったときは半日くらいかかりました。
セキュリティ上も個人に任せることが無いので、アップデートミスとかリスク無くなるでしょう。
アップデートも結構時間がかかりますし。
この初期設定が深い意味を持つのは、IT企業です。
IT企業の場合、様々なプログラムを書くわけですが、これがどの環境で書くかによって使えたり使えなかったりします。
例えばJavaの場合、Java1.4ver.なのかJava5.0ver.なのかで、読める読めないが有ります。
仮に5.0で作ったとして、もしユーザーの中に1.4の人がいたら、その人は使えないことになります。
普通、自分のJavaのバージョンなんて知りませんから、「どーなってんだ!」と苦情が来ます。
あなたのPCの所為なのですが…
Sun:Java 2 Platform Standard Edition 5.0 の互換性
特にJavaはWebページでよく使われているため、見られないとよく文句が来ます。
皆さんも、右下にこんなマーク↓が出たことはありませんか?
ちなみに、バージョンはコマンドプロンプトから確認できます。
このため、初期の段階でどの程度の環境で作るのかを相談して決めます。
作り難いからと、勝手にここから抜けることは許されません。
逸脱するとバグになります。
それなら初めからクラウドで統一しておけば、誤って逸脱することもありません。
また言語や、エクリプスなどの開発ツールは環境設定がかなり面倒で、使えるようにするだけで2,3日かかりました。
皆同じ思いをして時間を無駄にするでしょうから、人件費もバカになりません。
さらに、システム上の問題も複数有り、これの解決も大変です。
例えばJavaのバージョンで、javacバージョン>javaバージョンになると、実行時にNoClassDefFoundErrorが出てしまいます。
オラクルDB等を先にインストールすると、環境パスが変わってしまい、勝手にダウングレードされたりします。
Javaのversionが、1.4.2 ⇒ 1.3.1_01へ?
こんなのも知っていればなんてこと無いのですが、知らないと解決に時間がかかります。
専門チームを作り一括管理すれば解決が容易になります。
さらに、開発では出来上がったソースコードのバージョン管理も大変です。
AさんとBさんが独立して開発したとき、知らずにファイル更新とかすると、上書きによって先祖返りしてしまいます。
誰が、何時、何所を、どれだけ変更したかを逐一把握するのは、規模が大きければ大きいほど難しくなります。
だったらクラウド内に、仮想化で個々のローカルドライブを割り当て、皆そこで作業すればいいのです。
これならログが取れますから、管理も楽ですし、アドレスの打ち間違いによるエラーも無くなりますし、テスト環境の設定も切り替えるだけです。
HDDもCPUもOSも、ほとんどいらなくなるのでPCの性能は悪くても構いません。
小型化軽量化省電力化も簡単になります。
少なくとも開発をするだけならこれで十分対応できます。
このようにクラウドは様々な可能性が考えられます。
特に皆で足並みを揃え、何かをせねばならないときにはとっても使い勝手が良いです。
今後の発展は見ものです。
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