FRBの利上げ - 影の利上げ圧力
最近エコノミスト達も口をそろえて景気回復を叫びます。
しかし失業率は高止まりどころか更なる上昇を織り込んでいます。
そんな中、FRBは利上げの時期を探っています。
ゼロ金利政策という異常事態から早く抜け出したいようです。
速水日銀総裁(当時)のことを散々非難したバーナンキ議長も彼と同じような立場に置かれているようです。
金融市場は、米連邦準備理事会(FRB)が異例の景気刺激策を元に戻す時期を探るために、当局者発言の一字一句に注目している。
>>米利上げ時期、FRBの市場とのコミュニケーション課題
市場との対話とか言っているうちはまず利上げなんてありませんから、暫くはゼロ金利が続きそうです。
しかし、世界はそんな悠長な事を許してくれません。
FRBがのろのろやっているうちにドンドン先に進んでいます。
中国とロシアは、2国間貿易の決済で自国通貨である人民元とルーブルの利用を拡大したい意向だ。
>>中国とロシア、2国間貿易で人民元・ルーブルの利用拡大目指すブラジル石油公社(ペトロブラス)のガブリエリ最高経営責任者(CEO)は6日、ブラジリアで記者団に対し、ドル以外の通貨で石油が取引されれば有益であり、世界経済の変化を反映するものだとの認識を示した。
>>ペトロブラスCEO:ドル以外で石油取引行われれば有益-転換困難
肝心の新興諸国から総スカンです。
ただでさえドルを刷りすぎてちょっとまずい状況なのに、買い手が浮き足立っていますから、米国もFRBも内心びくびくしているはずです。
前からそうでしたが、ここ最近は特に気にしているでしょう。
最近値を飛ばしている株価も、円ベースで見ると下落していることが分かります。
これは金や原油も似たようなものでしょう。
株価が上がっているのではなく、ドルが下がっていて相対的に上がって見えるんですね。
ドルと言う商品の魅力が無くなっているわけです。
こうなるとFRBが言うような米国市場との対話で利上げを決めるなんて、悠長な事は言っていられないでしょう。
状況を見て利息と言う付加価値を付ける様に金利を持っていかないと買ってくれなくなります。
まして、ライバルであるEUの政策金利が1.00%と比較的高めに推移していることを考えると、国内景気以外からの圧力は結構大きいです。
FRBは国内情勢ではなく、こういった影の圧力に負けて利上げするように思えます。
案外早く利上げになりそうです。
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