何故銀行を救うのか?① - 信用創造の仕組み
最近また金融機関の高額報酬が問題になっております。
懲りない連中ですね。
たった1年前に70兆円という莫大な税金で助けてもらったことを、憶えていないのでしょうか?
それなのに死亡債を始め、またろくでも無いマネーゲームをしようと企んでいます。
今シリーズは、もう彼らを救う必要はないのでは?と言うお話。
まず初めに、そもそもなぜ銀行を救済したかを考えます。
多くのエコノミストやマスコミが伝えているのは、「銀行が危機に瀕すると信用収縮が起こるから」とされています。
信用収縮とは信用創造の逆の現象です。
信用創造は、銀行の貸出によってマネーサプライ(通貨供給量)が増加すること。あるいは、金融機関のおこなう「決済機能の提供」と「金融の仲介機能」が作用して信用貨幣が増加する機能を指す。
>>Wikipedia - 信用創造信用創造とは、銀行貸出で預金が創出されるプロセス。銀行が貸出を行えば、借り手のために銀行自体への請求権である当座預金を増加することができるが、当座預金はそれ自体が通貨としての機能をもっているため、銀行信用はその分拡大することになる。
>>証券用語辞典 - 信用創造とは
世の中に出回っているお金とは、何も現金だけではありません。
例えばクレジットカード。
クレジットカードを使えば、財布の中身を使わずに物が買えます。
この分の御代は、後々請求書とともにやって来ますが、支払が行われるまでは自分の現金は減りません。
携帯電話の料金は、ソフトバンクの場合毎月10日に計算され、1ヶ月分の合計が送られてきます。
しかし、通話分の回線代金やパケット代は使った時にかかるはずです。
これ等は結果として携帯会社が一時的にお客に貸し付け、そしておそらく携帯会社に対して電力会社やNTTなどが貸し付けています。
各々の現金が動くのは月に数回でしょう。
理屈で言えば、現金が無くてもクレジットカードと引き落とし口座があれば生活できることになります。
現金は必ずしも必要ではないわけです。
貸付を利用すれば、現金を消費者に触れさせること無く、経済を回すことが出来るわけです。
かつて、頭のいい方々がそのことに気付きました。
「上手いこと現金を見せないような手法を考えれば、自分達は楽して金持ちになれる」と。
昔は画期的なシステムでしたが、時代は流れ多くの人が学べるようになりました。
いい時代になりましたね。
銀行の金庫は誰も見ることが出来ません。
そして預金は、預金者全員が一斉に引き出すことは(ほぼ)ありません。
ですから、預かったお金をこっそり又貸ししたり何かの購入に当てれば、自分は何もせずに儲ける事が出来ます。
お金を作り出すことが出来るのです。
これにより、経済全体のお金の量は大幅に増加することになり、企業や個人がより多くお金を借りられます。
結果、企業は発達し雇用は増大します。
行き過ぎれば皆が借金まみれになります。
また、所詮仮想的なお金なので増減が容易です。
前のめりな貸付を増やせば、お金は一気に増加します。
しかし手のひらを返して貸し出しに後ろ向きになれば、お金は急速に減少します。
これが信用収縮です。
金融危機の本格化に伴い、多くの銀行は貸し出しに後ろ向きになりました。
このためお金の量が減少し、企業が衰退、雇用は縮小すると予測されました。
ですから、銀行が萎縮しないように多額の公的資金を投じて銀行を救済したわけです。
これを高校時代に習った時は狐に摘まれた様な気分でした。
何も無い所から何故お金が生まれるのでしょうか?
これはおそらく多くの方が疑問に思っていることだと思います。
そして質問すると、大概は先生や学者様に一蹴されてしまいます。
しかし、歴史的に見れば何度も議論され考えられている事であり、今でも結論は出ていません。
至極当然な疑問です。
ではどんな議論かと言いますと…
続く…
理経済:何故銀行を救うのか?② - 昔のお金製造法
理経済:何故銀行を救うのか?③ - "信用"の源泉
理経済:何故銀行を救うのか?④ - 銀行なんて放っておけ
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コメント
こんにちは。サイトを紹介していただきましてありがとうございました。
信用創造と信用収縮のメカニズムについてのわかりやすい説明ですね。
今後ともよろしくお願いします。
投稿: 証券用語辞典 | 2009年10月13日 (火) 10時10分
コメントありがとうございます。
証券用語辞典さんのサイトは、他の証券用語辞典と比べて
痒い所を簡略的に説明なされているので、
とても引用し易いです。
ありがとうございます。
ところで、不躾ですが御サイトを固定リンクに
入れさせて頂いて宜しいでしょうか?
投稿: なる | 2009年10月14日 (水) 00時22分
なるさん
返事遅くなってすいません。
そういっていただけるとうれしいです。
固定リンクの件もしよろしければぜひお願いします。
投稿: 証券用語辞典 | 2009年10月23日 (金) 20時02分
固定リンク貼らせて頂きました。
有難う御座います。
投稿: なる | 2009年10月25日 (日) 00時07分