GMの40万円自動車 - タタとの競合
皆様おはこんばんちは。
家族旅行から帰ってきたなるです。
旅行のことは後ほど書くとして、気になったニュースが飛び込んできたのでまずはそちらについて書かせてもらいます。
気になったニュースと言うのはGMの新車。
アジア向けに1台40万円で出すそうです。
タタ自動車の株主であるなるは戦々恐々としております。
米自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)は、アジアで価格が4000ドル(約38万円)程度のコンパクトカーの製造を検討している。…(中略)…インドの同業タタ・モーターズが2500ドルの低価格車「ナノ」を投入したことに対応したものだという。
>>米GM:アジアで約38万円のコンパクトカー投入を検討-WSJ紙
これはタタと株主にとっては悪報です。
結構まずい。
以前、トヨタが50万円自動車を出すとか言いながらも、不況の煽りで立ち消えしていましたが、まさかGMからこんな話が出てくるとは思いませんでした。
何故まずいかというと、この位の値段の"外車"なら、十分ネームバリューが有り、かつちょっとリッチな優越感が味わえるだろうからです。
おそらく、結構売れます。
インド人の中間層(年収60万円~300万円)は急速に増えています。
また、この不況期であってもGDPは相変わらずプラスで推移しています。
この位の収入なら、中間層の下の方でも20万円自動車を買えますし、ちょっとリッチに40万円自動車も買えます。
今後の伸び率や人口も考えると、その市場規模は計り知れません。
加えて、インドは2030年には単独人口で中国を抜くとさえ言われています。
今まで中間層の自動車は、タタの独壇場(トラクター等はマヒンドラの牙城です)でしたが、ここに来てちょっとリッチな40万円"外車"を投入されると、競合は避けられません。
この車の市場はナノと被っています。
外車というだけで値段が高くなるのは、日本を見ていればよく分かります。
例えば、大学時代にベンツやBMWの鍵をチラチラ見せて、「ベンツ買ったの?凄いね」と言わせている人が結構いました。
しかし、BMWもベンツもフォルクスワーゲンも、現地では大衆車で、普通に道路を走っています。
輸送コストに関しても、最近では何所の会社も中国や東南アジアで作る事が多いですから、寧ろ欧州向けより日本向けの方が安いかもしれません。
それなのに値が張るのは、単にブランド力、イメージ力の為です。
インドで外車のブランド力が如何程か分かりませんが、それなりの影響力はあるでしょう。
仮に無くても、長い歴史を持つGMがこの事を知らないわけがありません。
一流のマーケティングの専門家を引っ張ってきて、上手いことやるでしょう。
タタ自動車の株主としては、ヒヤヒヤ物です。
それにしても、GMは債権処理をした為か、随分積極的になった感じがします。
肩の荷が下りたからですかね。
破綻騒動があったため、注目が集まっているからかもしれませんが、全体的に前向きなニュースが増えた気がします。
今までは累積赤字がどうとか販売シェアがトヨタに抜かれそうだとか、ネガティブな話が多かったのですが、GMにとっては借金を踏倒して正解だったのかもしれません。
エコノミスト達が言うように、他の自動車産業にとっては強いライバルが誕生しました。
追記:
日本の場合、自動車の輸入関税は無いようです。
Wikipedia:輸入車(日本)
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