リッター100km - エコカー戦線激化
先日破綻したGMが、早々に反撃の狼煙を上げてきました。
その先陣は、なんと100km/ℓの超低燃費を誇るプラグインハイブリッドカーです。
米ゼネラル・モーターズ(GM)のヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は11日、2010年に発売予定の家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車「シボレー・ボルト」の燃費が、ガソリン1ガロン当たり230マイル(1リットル当たり約98キロメートル)と発表した。
>>米GMの新ハイブリッド車、燃費は「プリウス」の4倍
100kmは凄いですね。
先日、「目指すは50km/ℓ。…それが自分達のブランド力と技術力を最大限に生かせる手法だと思います。」と書きましたが、現実はそんなに甘くありませんでした。
やはり「事実は小説より奇なり」ですね。
私の頭の中より、現実のそれは更に前に行っているようです。
尤も、この車は平均走行距離500kmだとか。
リッター100kmなので、ガソリン自体は5ℓしか積めない訳ですね。
ハイブリッドカーというより電気自動車です。
しかし消費者にとってみれば、ガソリンであろうがエタノールであろうが電気であろうが、あんまり気になら無いでしょう。
それなりに単価が安く、維持費が安く、イメージ的に悪くなければ選択肢に入ると思います。
幸い、燃料補給も家庭充電とガソリンスタンドで出来るので、インフラ設備も整っています。
単価は400万円とお高めですが、ガソリンの消費量を考えれば、米国であれば十分売れるでしょう。
日本の年間平均ガソリン消費量は、大よそ600億ℓ(単位に注意)です。
石油連盟:今日の石油産業 PDF 9ページ
一方世帯数は5000万世帯ですから、大体1世帯あたり年1200ℓ使っている計算になります。
ガソリン1ℓ150円として、すべてのガソリンが自動車に消費されているとすると、私達は年18万円位燃料代を払っていることになります。
日本の自動車の平均燃費が分かりませんが、仮に皆プリウス位だとすると、燃費は4分の1の4万5千円になります。
電気代が同じぐらいかかるとすると、年9万円と半額になります。
このぐらいだと、あまり乗り換えるメリットがありませんね。
しかし米国では、その燃費の悪さから日本人の10倍ぐらいガソリンを使っています。
POP*POP:世界のガソリン消費量が端的にわかる一枚の画像
そう考えれば、米国での乗り換え需要は十分取り込めます。
何せ、年90万円も油代がうくわけですから。
それに今の調子で行くと、米政府の補助金対象にもなりそうですし。
ハイブリッドカーは日本のお家芸とされ、トヨタもホンダも随分力を注いでいますが、戦況はドンドン熾烈化しているようです。
しかも、中国などの新興メーカーだけで無く、米国の老舗メーカーまで参入するわけです。
一段の脱皮が望まれます、
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コメント
2000年に終了したとのことですが、有名なシェルマイレッジマラソンでは1リッターで1300キロ走ったという異例な記録がありますが、平均すると500~1000キロぐらいでした。
実用車では、スーパーカブの60キロといったところが一番です。
要するに、ガソリンエンジンで四輪車が一リッターの燃料100キロも走るということは、今後ともあり得ないと考えて良いです。
だから、謎はバッテリーに蓄えた電力によるわけで、その電力の供給がプラグインであるとすると、全くガソリン使用量に反映しないわけです。
現行のプリウスは、電力を作るためにガソリンを使いますから、ガソリンの消費量でエネルギー使用量を代表させて問題ないですが、GMのボルトは電池だけで20マイル走ることが出来るというのですから、20マイル以内でガソリン消費量を測ると0で、20マイル/0ガロン=無限大、になってしまいます。
このデータで判断指定いけない、という代表ですよ。
投稿: 酔うぞ | 2009年8月13日 (木) 11時35分
物理的に考えれば、
電気は火力などの熱エネルギーを
水上気圧などにより運動エネルギーにし、
モーターなどで電気エネルギーに変えています。
そしてそれを、また運動エネルギーに変えます。
当然、工程ごとにエネルギーはロスします。
一方ガソリン車は、
直接熱エネルギーから(分子の運動エネルギーを経て)
運動エネルギーに変えています。
本来はガソリン車のほうが効率的なわけですね。
電気の分のコストや、発生源のエネルギーロスまで勘案しないと、
仰るとおり、より正確な燃費(?)は図れないでしょう。
今後は消費エネルギー量などで測定すると良いかも知れませんね。
そして消費者も騙されないよう、よくよく勉強する必要が有りそうです。
それにしても1300kmは凄いですね。
投稿: なる | 2009年8月13日 (木) 23時43分