官僚の、正体見たり、・・・③ - 政権交代など意味がない
本日、やっとこさ件の飲み会が終わりました。
いや散々。
さて、今回は飲み会と官僚主義の最終回です。
官僚の正体と、それを支えるものについて、そして改善策です。
理経済:官僚の、正体見たり、・・・ - 政権交代など意味がない
理経済:官僚の、正体見たり、・・・② - 政権交代など意味がない
前回の最後に述べた質問を思い出してみます。
『なぜ、3000円でも7000円でも無く5000円なのでしょうか?』
飲み会の時の"一般的な"予算は5000円との事です。
しかしそもそもこの数字、何所まで根拠があるのか疑問です。
学生の時は3000円くらいですし、高級店ならもっといくでしょう。
そして、これらの数字には共に根拠が無く、店が言うままにはいはい渡しているわけです。
原価がいくらで、自分達の収入がいくらで云々などと言うことを、幹事がウンウン考えているなんて見たことがありません。
結局5000円と言うのは、「昔そうだったから、それが普通」という、ただそれだけです。
しかし、これはかなり危険です。
官僚の無駄遣いは元々過去に引き摺られていることが原因です。
例えば、最近よく非難される少年法は、元々1922年に制定されました。
当時は「はだしのゲン」の登場人物のような貧しい子供が多く、彼らが物を盗むのは社会の性だ、という考えが有りました。
これは確かにそうだったのでしょう。
しかし、現代のように1日3回ご飯が食べられ、文字も読める少年が殆どである今、そんな考えの下に作られた法律が役に立つのでしょうか?
その歪みが今、出ているわけです。
また単年度予算方式にしても、日本が高度成長している戦後などは、常に省庁の予算が逼迫していました。
舗装道路は国内に殆ど無く、高速の整備もまだまだ不足していました。
ですから放っておいても、予算は無駄遣いするほど余りませんでした。
そして、国自体大して金持ちでもなかったので、省庁の予算請求など中々通りませんでした。
省庁は競ってコストカットし、兎に角少ない予算で頑張っていました。
しかし、国が裕福になり大して使う部分も無くなると、予算に余裕が出てきます。
国が右肩上がりの時はいいのですが、下がりだすとこれが問題になってきます。
さらに、予算は上がりにくく下がり難いので、省庁は今度は競って無駄遣いしだします。
これが現在問題になっているわけです。
過去を踏襲することは必ずしも悪いことで話ありません。
これ等は長年培われたハウツー本であり、料理と同じでまず真似る事から始まります。
これを無視すると、美少女ゲームのヒロインの様なとんでもない料理が出来上がります。
ですからレシピ、マニュアルは大事なわけです。
しかし、慣れた人が毎度毎度レシピなんて見ますか?
冷蔵庫の中身が不規則だったり、そもそも材料が殆どなかったりと状況は毎回違います。
レシピ通りの材料ばかりが揃っているとは限りません。
環境は常に変化しています。
それは料理でも官僚社会でも飲み会でも同じことです。
現状を無視し、過去に縛られすぎると弊害になります。
現在、社員の構成は大きく変わりました。
オフィスには正規の社員だけでなく、賃金の低い非正規社員が多くいます。
社員も昔ほど会社に対する忠誠心が無く、上司が常に上司であるとは限らず、部下が部下であり続けるとも限りません。
賃金の伸び率も昔ほどではありません。
実際、幹事として過去のデータを見ると、正社員の参加率は8割くらいなのに、派遣の人の参加率は2割程度です。
値段が問題なのかどうかは分かりませんが、職場状況にも変化があるようです。
さて、これを踏まえた上で官僚の正体を述べます。
正体はズバリ・・・、ただの日本人です。
過去に縛られ、どうしても其処から抜け出せない、ただの日本人なのです。
テストの点数が少しばかり高いだけの、ただの日本人なのです。
今まで述べてきたとおり、飲み会と国策では随分規模に差は有るのですが、根っ子は同じです。
過去の事例から予算を決め、参加者や国民を無駄率の高い飲み屋に連れて行きます。
参加者は参加費と言う税金を払い、税金の多くは参加者に還流されず、居酒屋の店員(日本だと土建屋が多い)に流れます。
いっぱい連れて何度も来てくれる幹事には、クーポンやらポイントを与えることがあるかもしれません。
こうして多くの参加者は、「経営者は賃金を抑えている!」と文句を言いながらも、穴の開いたバケツのようにお金を消費していきます。
多くの人々は「普通」を普通として疑わず、其処に疑問を感じることはありません。
自分達が如何に無駄遣いをしているか気付きません。
結局はそれが官僚主義を助長しているわけです。
官僚主義は不動産名や政治家に支えられているのではなく、こういった国民一人一人の志向によって支えられているのです。
ですから、政権交代して脱官僚とか言ってますが、こんなもの意味ありません。
だって、海外経験の多い人をすえるとか、あまり日本人的でない人を国策担当者に抜擢する訳ではないのですよね。
もし東大から違う学歴に挿げ替えるだけなら全く意味がないのです。
良くも悪くも、小泉政権で日本が大きく揺れたのは、竹中平蔵さんなど、あまり日本人的ではない考え方の人が舵を取っていたからなのではないでしょうか?
政治家や官僚を変えたいなら、日本人一人一人が変わる必要が有ります。
簡単なことです。
もう一度「普通」について考え直してみてください。
それこそが、日本に「普通」に存在する官僚主義にメスを入れることが出来るでしょう。
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コメント
たまにここをのぞいている人間です。
会社の親睦会の幹事を引き受けてみて、その意外な面倒さと、なんで5000円?と言う根拠を、官僚主義として批判されていますが、個人的には少し違うのではないかと思います。
あなたが感じた幹事としての疑問は、実は初めて出会う、世間と言うもののウットオシサだと思います。
そのうちもっと大変な「結婚式」と言う、大変な儀式が待っています。個人的な事ですが、私自身はそこで初めて世間と言う物を思い知りました。
世間と自分との折り合いは、いったいなんでこんなに面倒で複雑でアホくさくて、気がめいる事なのだと。
結婚式、もう大変ですよ、誰をを呼ぶとか、相手は議員が来るから、こっちは社長に出てもらえんかとか。結婚しないかもしれませんが。
あなたが今回感じた疑問は、それは世間とあなた自身との、この先の長い闘争の始まりと思って良いと思います。
新人に幹事をやらせて、世間を少し知らしめる、個人的には、良い会社に勤められたと思います。
投稿: Jamira | 2009年8月 2日 (日) 11時56分
当ブログを御覧頂、有難うございます。
私も今回幹事を行ってみて、凄い面倒くさいと思いました。
集金して回ったり出欠席を確認しに行ったり。
お酒の席でも自分は殆ど楽しめませんでした。
近くにいる上司の話を聞いたり、お酒を注いだりとまあ大変でした。
最近飲み会に参加したがらない若い人が多く、社内の風通しが悪くなっている、みたいな事をWBSでやっていましたが、その理由がよく分かりました。
これが柵と言う奴なんですかね?
会社が終わっても仕事と変わらん・・・
まあ、面倒くさいのは仕方ないのですが、参加者を蔑ろにしているのではないかと言う部分と、自己の考えを殺す事が気になります。
こうやって人は歯車になっていくんですかね?
歯車とかではなく、それが世間なのかもしれませんが。
今度、海外留学した人とかに海外の「世間」について聞いてみようかな。
投稿: なる | 2009年8月 2日 (日) 21時47分