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静かなるキャピタルフライト② - 何が"静か"なのか

前回、歴史のおさらいをしました。
歴史と言うものは不思議なもので、似たようなことが常に繰り返されます。
そうならないように人々は教訓を作るわけですが、大概それは守られません
人間とは学習しない動物なんですな。

理経済:静かなるキャピタルフライト① - 歴史のおさらい

しかし、そのおかげで次に何が起こるのか想像しやすくなります。
あまり良い事ではないのですが。
今回は本題の"静かな"キャピタルフライトの話。

歴史がそのまま繰り返すのならば、アメリカはドンドン国債を刷り、多額の借金を積み上げていきます。
日本の場合は国民が買ってくれたおかげで、多額の負債は国民に降り注ぐこととなりました。

一方アメリカは既に外国にばら撒いている為、世界が借金の肩代りをしています。
おかげで政策金利が日本より低いにも拘らず、金利は日本の上を行きます
信用されてないんですね。

以前、バフェットジゼル・ブンチェンが米ドル以外の通貨に資産分散を行っていましたが、これは将来的に米国債の引き取り手が少なくなる可能性を示唆しています。
これは立派なキャピタルフライトです。

さてここまで色々話してきましたが、まだキャピタルフライトについて説明しましていませんでした。
直訳では"資本逃避"となります。
資本なら何でもいいのですが、一般に資金が国外に流出することを指します。

最近ではジンバブエが海外資本を締め出すことで、結果的に資金繰りが破綻し(つまり資本の出し手が逃げてしまい)、国内経済が混乱しています。
また、皆さんの記憶に刻まれているのは通貨危機でしょう。

世界四季報:1000億ジンバブエドル紙幣

資本、お金とは経済の血液のようなもので、高血圧だ短命になりやすく低血圧だと年中倒れてしまいます。
何かの拍子で大量の血液が流れ出すと、それが自前の血であれ輸血したものであれ、体は死に近付きます。
キャピタルフライトとはとっても怖いのです

さて、ここで書きたいのは"静かな"キャピタルフライトです。
アメリカのそれは随分前から言われていたことであり、多くの人が気にかけています。
このため、決して静かではなく、そうならないように多くの人が奔走しています。

では何が"静か"なのでしょうか?
当ブログで度々出てきますが、私が懸念しているのは日本の資本が海外に逃避するのではと言うことです。

前述の通り、日本政府は国民からお金を借りることで、その多額の借金を支えてもらっています。
多くの人は気にしていないでしょうが、銀行預金や年金を通じて、間接的に国債を保有しています。

しかし、近年では貯蓄から投資へと言うように、少しずつ投資と言うものが注目を集めるようになりました。
幸か不幸か株価が暴落した為、その流れは滞っていますが、証券会社のセミナーやブログなどを回っていても、結構やってみたいとか興味はあると言う人が多いようです。

投資をするのはいいのですが、それは言い換えれば国債が売れ難くなると言うことです。

預金残高の減少もさることながら、知識を持つと言うことは他の商品とも比べられる可能性が高いと言うことです。
情報が流入してくると、視野が広がる為、今まで見たこともないような商品にも目が行くようになります。

理経済:情報格差の減少 - ニュースサイトの有料化

例えばアメリカに目を向ければ、日本の倍ぐらいの利息がつきますし、オーストラリアやブラジルはそれ以上です。
勿論為替リスクは負うわけですが、少なくとも今までの日本円預金一辺倒の状況が崩れる可能性が有ります。

例えば、貯金の8割は従来通り銀行に預け、残りの2割は外貨預金にしてみようという人もいるかもしれません。
初めは外貨預金から始め、FX、外国での預金と言うように、ドンドン世界に出て行く人も増えていくでしょう。

これも一種のキャピタルフライトです。
なぜならば、元々日本にあったはずの資本、お金が海外に流出しているからです。

帰ってくる可能性は確かに高いです。
しかし、今までは「そもそも出て行かなかったもの」が、「概ね帰ってくるだろう」に変わったとしたら、大きなことです。

なにせ日本人の金融資産は1500兆円ですから、この内1割が海外に流出すれば、外貨準備なんて簡単に吹き飛んでしまいます。
今まで預金ばっかりしていた人が、ブームに乗って外貨預金やらFXやらをやり始めたらどうなるでしょう?
前回以上の円安に見舞われるかもしれません。

しかし、日本では元々投資と言うものが活発ではありません。
株やら何やらをやっていると言うと、何となく胡散臭そうな目で見られます。
このため、結構隠れてやっていたりする人も多いです。

また、企業の海外進出に伴う単身赴任や最近増えてきたグロソブ、外国株投資なども結局外貨を買って円を売るわけですから、資本が逃げていることには変わりません。
もし日本でジンバブエのようなことが起きれば、加速度的に帰ってこなくなるでしょう。
借金の多い国ですから、ならないと断言は出来ません。

それぐらいの状況なのですが、日経新聞などでは海外の新聞と違って、アナリストが出てきて日本円はどうだとか大資産家が出てきて通貨分散がどうのとかは言いません。

ですから、気付かぬうちに少しずつ少しずつお金が出て行くわけです。
あまりにも少しずつで誰も気付きませんから、騒ぎ立てることもありません。
これが"静かな"キャピタルフライトです。

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