新興国の台頭 - 満足度から見る中間層の富裕化
インド新聞を見ていましたら、こんな記事が出ていました。
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー アジア・パシフィックはこのほど、2009年インド自動車セールス満足度(Sales Satisfaction Index、略称SSI)調査の結果を発表した。…(中略)…ちなみに、業界平均点は793点であり、前年の767点を26ポイント上回った。
>>インド新車セールス満足度、マルチ・スズキが首位
インドでも顧客満足が俄かに注目されるようになってきたんですね。
中間層の方々も、少しずつ経済環境が改善されているんですね。
結構有名なのでご存知の方も多いでしょうが、人間の欲望も一種類ではありません。
分け方にも色々有るのですが、今回は「マズローの欲求段階説」を使います。
より下位の欲求が満たされると上位の欲求に移行すると言うものです。
批判も結構ある理論ですが、私は概ね当っていると思います。
ピラミッドの最下層である生理的欲求が満足されると、次の安全・安定の欲求に移ります。
これは新興国や戦後の日本を考えればすぐ分かります。
人間は腹が減っていては碌な事を考えませんし、生きていけません。
ですから空腹を抱えてブランドバックやエステに行ったりする人はいません。
確かに食事代を節約して、と言う人はいるでしょうが、骨と皮みたいな人がクリームを塗っているなんて、見たことがありません。
それなりに空腹が満たされるようになると、次により安全な状態を望むようになります。
言い換えれば、腹が減っているのであれば安全は二の次になります。
例えば南アフリカではAIDSが蔓延しています。
感染ルートは色々有りますが、一つは陽性の娼婦を通じてです。
するほうは兎も角、される側は可能性をそれなりに理解しているでしょう。
周りでばたばた倒れてるんですから。
それでも続けるのは食べる為、食べさせる為に仕方が無いからと思われます。
お相手はセックス・ツアーでぞろぞろ来る先進国の一団なんですよね、きっと。
ストリート・チルドレンでの前科が有りますし。
さてインドの話に戻りますが、企業側が顧客満足を気にしだしたというのは中間層の満足度が上がってきているからでしょう。
車は「買えれば良い」から、「商品+α」に変わってきました。
下位の欲求が満たされだしているわけです。
中間層の発展が確認できたわけですから、高級車が売れやすくなるでしょうし、需要が大きくなっている為、車も含め新たなビジネスチャンスも広がります。
例えば宝石とかちょっと良い家電とか。
兎角中国の市場ばかりが注目されていますが、他にも市場は広がっているようです。
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