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裁判員制度が開始 - 大岡裁きが望まれる

本日から遂に裁判員裁判が始まりました。
始まる前は辞退等が随分懸念されましたが、取り合えず滑り出しは上々のようです。
欠席者が本当に来れなかったのか分かりませんが、逆に浮いてしまう位の出席率です。

全国初の裁判員裁判の初公判が3日午後、東京地裁(秋葉康弘裁判長)で開かれた。選ばれた裁判員は女性5人、男性1人で、裁判官3人の両側に分かれて着席。検察側と弁護側が法廷内の大型モニターを使い、視覚に訴えてわかりやすい立証に努める様子を注視した
>>裁判員裁判で初公判、視覚に訴え立証 東京地裁

報道によると、モニターも使ったようですし、紙を見ないでなるべく自分の言葉で話したとか。
1年前には考えられない光景です。

裁判というと民間人にはなじみが無く、精々映画で見る程度です。
それでもボクはやってない」で、弁護士と検事が激論をしていました。
あれを見ると、法廷ではいかにも論理的で静かな激論が繰り広げられているイメージが有りますが、現実はそうでもありません。

弁護士は事前に打合わせたとおりに原稿を読み上げ、検事も割とやる気がない感じに流します。
実際には閑散としています

これは刑事裁判の場合ですが、民事はもっと酷く、開廷5分で終わる場合もしばしば
部外者にはさっぱりです。
しかし事件の中身自体はかなり深刻で、テレビのワイドショーなど比較にならないほど、どろどろしています。

例えば私が見たのは、ある男性が妹を強姦してしまったと言う話。
しかも調べてみると、父親もその娘を強姦していたとか。
結局その子は自閉症で闘病中とのことです。

これだけ聞くとその男性が一方的に悪いのですが、話を聞いているとそう簡単ではないようで、なんでも父は飲んだくれで働かないため、母と二人で一家を支えていたとか。

月休4日、1日18時間労働、しかも夜勤と超過酷な中で悪女に騙され、それが切欠でそうなったとのこと。
まず父親と悪女をしょっ引いて来た方がいいのでは?

他にも、夫と姑にいじめられて、そのストレスからお酒に溺れた奥さんが、自宅に放火し逮捕起訴された事件も見ました。

放火は結構な極刑が出やすいのですが、被告人の殊勝な態度と、自宅以外に被害も無く状況も状況と言うことで執行猶予までつきました。
う~ん、大岡裁きですな。
被告人も手錠と紐を外せばフライング土下座しそうな位ペコペコしてましたからね。

このようにテレビには出ない、複雑にこじれた事件はたくさん有ります。
しかし、殆どの人はそんなこと知らないような状況です。
はっきり言ってワイドショーになるような事件は結構マイルドなものばかりです。

なお、裁判は基本的に開かれていますので、見ようと思えば誰でも見られます。
平日限定ですが、地方の裁判所でも結構色々やっています。
電話で裁判所に問合せれば、どんな裁判を何時やるか丁寧に教えてくれます。
是非一度見に行かれることをお勧めします。

そんな裁判ですが、日本の場合は判例主義の為、「前例」が結構重要です(ちなみに米国はもっと凄いです)
このため、結構杓子定規で、一般的な感覚に合わない事もしばしば

理経済:法律にもリーダーシップを

以前、裁判員制度のフィクションドラマ内で、「もし裁判官が人の生死を昔のそれを踏襲するだけで決めているなら、随分気楽な商売だな」と皮肉られていましたが、確かにそういう面もあるのかもしれません。
裁判員達がそれを教えてくれるでしょう。

前述の通り、今までの裁判は傍聴席にいてもなんだかよく分からない事もしばしばあり、かつ感情が被告人以外から伝わってきません。
形式的な匂いがプンプンします。

しかし、実際の事例を見ているともっと感情論的な部分が結構有ります。
裁判員の方々には、寧ろ感情をもっと入れて欲しいです。
形式的な儀式は裁判官や検事達がやってくれます。

一般の感覚と合わない判決が出るのは、法律家達が数式を解く様に淡々とこなしていたからだと思います。
是非とも感情を混ぜ、大岡裁きをして欲しいと思います。

ちなみに、ここから先は私が聞いた事例。
裁判員が嫌われた理由の一つです。
心臓の弱い方はご遠慮ください(白字で書きます)

大学で法律も学んでいたなるですが、裁判員についても色々聞いています。
課外授業で裁判所に行ったりもしました。

さて、裁判員制度が嫌われる理由はいろいろ有りますが、一つは証拠を全部見せられる可能性があるからでしょう。

これは法律学の先生に聞いた話ですが、日本では毎年何件か猟奇殺人が起こるそうです。
前述の通り、マスコミは話題性のある事件しか取り上げません。
これ等は事件の中ではかなりマイルドな方で、現実に起こる事件はかなりやばいものが結構あるそうです。

具体的に言うと…

例えば、殺した人の皮を全部剥いだり、バラバラに切り裂いたりとか、金田一もビックリな凄まじいものだそうです (;´Д`)ゲロゲロ
滅多刺しや子供の突き落としなんてかわいいものです。

こんな事件の証拠写真を見せられた日には、とてもとても寝られませんね。
ここまで非業の死を遂げたのなら、本当に化けて出そう。
夏に涼しくなりたいなら、稲川淳二の怪談話より、猟奇殺人の判例を見たほうが涼しくなれるでしょう。
多分気分が悪くなります。

死んだ人間の恨みより、生きてる人間の方がよっぽど怖いわけです。

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