米CIT問題と日本のノンバンク問題③ - 総量規制とサラ金難民
前回、日本におけるグレーゾーン金利の引き下げで、如何程の影響を国内に与えたかを書きました。
今日はそれを踏まえた上での、CIT破綻時の影響を考えます。
理経済:米CIT問題と日本のノンバンク問題 - 総量規制とサラ金難民
理経済:米CIT問題と日本のノンバンク問題② - 総量規制とサラ金難民
なお、当のCITは首の皮一枚で踏ん張った…、と思いつつ皮一枚分も無いようです。
米ノンバンク大手CITグループが金融当局による健全性審査(ストレステスト)を受けた結果、約40億ドル(約3700億円)の資本不足を指摘されていたことが21日、明らかになった。…(中略)…
CITは20日、主要債権者から30億ドルの追加融資を受け当面の経営破綻を回避したばかり。一方で経営の本格再建には資本増強などの課題を残している。
>>米CIT、40億ドルの資本不足 SECへの提出書類で判明
昨日30億ドルも借りて、今日また40億ドル足りないでは、先行き不安です。
資金が足りなくなればなるほど、加速度的に資本調達が難しくなるからです。
破綻しそうな会社に、お金なんて貸せませんから。
しかも今回自分で資金調達をしたことで、政府からの次の支援はまず考えられません。
「また自分で何とかしてね」と言われるのが関の山です。
米政府はCITの破綻を随分なめているようですが、前回グレーゾーン金利による日本の不況で述べたとおり、資金供給が絞られれば中小企業への影響は計り知れません。
一般人や中小企業にとっては、サラ金の方が銀行より身近な貸し手なのです。
しかも、日本の場合は上限金利の制約しかされていません。
CITが破綻した場合は日本のそれより被害が大きくなる可能性が高いと思われます。
少なくとも審査の厳格化(貸し渋り)や債権の繰上げ回収(貸し剥し)は免れません。
GMなんか助けるよりも、こちらを助けるべきです。
自動車産業よりも余程裾野が広いです。
どの位広いかを見るために、日本で破綻、清算したSFCGと比べるとこんな感じ。
Wikipedia:SFCG
Yahoo!Finance:CIT
規模の差が10倍以上有ります。
SFCGが潰れた時、日本政府は物凄くビビッていましたが、アメリカのそれはGDP差を考えても凄まじいです。
更に更に、カリフォルニア州をはじめ、ここ最近安定的とされる職種にまで経済危機の余波が及んでいます。
公務員の給料支払を、一時凍結するところもあります。
米ペンシルベニア州で、7月1日から始まった2010年度の予算案がいまだに成立せず、州の職員6万9000人の7月分の給与が支払われない異常事態になっている。
>>予算案成立せず職員給与の支払い凍結 ペンシルベニア州
下手するとカリフォルニアは給与明細と小切手の代わりに、借用書を渡されるかもしれません。
まさか、レストランの支払に他人からの借用書を渡すわけにはいきません。
民間なら首になって明日の収入に困ることもあるかもしれません。
しかしクレジットカードの支払も、家のローンや家賃も、携帯の支払も待ってはくれません。
そんな時、多少金利が高くても、ちょっとだけ現金があれば助かるという事はよく有ります。
よく考えてみれば、年30%の金利で50万円借りても、4ヶ月で返せば利子5万円で済みます。
高くはありますが、返せない額ではありません。
というか、返せないなら借りるべきではありません。
CITの破綻は、リーマンやAIGの危機と違って、大企業や投資銀行たちの資金繰りを圧迫することはないでしょう。
しかし、一番末端にいる一般の人々に大きな影響を及ぼすでしょう。
またまた続く…
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