« 中々面白い、森永卓郎 - 日銀総裁にするといいかも | トップページ | 駆け込み公募 - GSユアサの場合 »

痒い所に手が届く商品作りを - iPhone3GSを売るために③

前回まで、iPhone3GSをいかにして売るか?携帯電話市場にはどのような”痒い所”があるのか書きました。

理経済:痒い所に手が届く商品作りを - iPhone3GSを売るために
理経済:痒い所に手が届く商品作りを - iPhone3GSを売るために②

痒い所と言うものは至る所に有ります。
そして、お客さんは「何所をかけ、其処は違う」とか色々な難題を出してきます
具体的な位置の指定があればマシなのですが、大概は本人ですら何所だか分からないので苦労します。

しかし企業や政府は、顧客の意味不明な指示に応える事で売上を伸ばしてきました。
資本主義とは、これ等痒い所を皆でかきあっている社会システムだとも捉えられます。
痒そうだが誰もかいていない所を探せば、商機は見えるわけです。

さて前座はこのあたりにして、本日は提案の三つ目です。

③文字盤を黒電話風にする

前回ゲーム機のコントローラーを例に挙げて、「感覚的に使える」のであれば、よりすんなりと操作できると言いました。

メインボタンの数が次世代ゲーム機になっても、ぜんぜん変わらないのはユーザーがそれに慣れているからです。
この為文字コードがABXYから○×△に変わっても、全く気になりませんでした。

これは携帯電話でも同じことです。
お年寄りに売る場合、如何に彼らにとって使い易いかが重要になります

と言うわけで、文字盤をこんな風にしてみましょう。

黒電話

DoPao's De-sign Recipe:600Type(黒電話600形) ★オリジナルデザインTシャツ★

皆さんお分かりになりますか?
所謂黒電話の文字盤です。
最近の人だと、あまり見たことがないでしょう。
平成生まれの子達は使えないとか。

しかし歴史的に見れば、このタイプは随分長い間親しまれてきました。
プッシュ式になったのは割と最近であり、私が5歳くらいの時にも黒電話は家に有りました

特にお年寄りには馴染み深く、多分文字盤を見ずとも、誰かに説明を受けずとも使いこなせるでしょう。
公衆電話くらいしかなかったプッシュ式よりも、ずっと感覚的に使えます。
あまりに馴染み深く、未だに現役もあるとか。

システム的にもそんなに難しくないでしょう。
ボタンに触った瞬間に数字を認識し、後のグルグル回るシーンは単なる動画にすればいいのです。

動画が終了したら数字を表示する形にします。
間違えた時は文字盤上部の受話器マークを押すなどして、電話を置ける様にします。

そもそも、何故このタイプの文字盤から今のプッシュ式になったのでしょう?
おそらく携帯電話の影響が強いと思われます。

プッシュ式とグルグルタイプだと、後者の方が回る分だけ時間がかかります。
また、おそらくグルグルタイプの小型化は難しかったのでしょう。

プッシュ式は数字の羅列なので、場所を取りません。
電卓みたいに四角く並べられ、中央を空ける必要もありません。
数字部分を小さくしても、押すだけなので指分のサイズだけあれば事足ります。
しかし、回すタイプではある程度半径がないと難しいです。
中身の問題もあったのでしょう。

結局今のプッシュ式にその座を譲ったわけです。

でもこれはメーカーの都合であって、消費者の都合ではありません
これではニーズと目的が食い違ってしまいます。

消費者を置いてけぼりで手法を変えたのですから、痒い所が新たに出来てしまったというわけです。
手が長い若者は良いのですが、老年層は取り残される事になりました。

しかし時代は更に進歩し、今まで使っていたボタンすら必要が無くなりました。
そして、これを使えばプッシュ式とグルグルタイプが共存できます。

ネットで落とせるようにしたり、携帯を買う際に一言聞いて、場合によっては店員が変えてやれば簡単に切り替えられます。

アドレス帳全盛期の今、果たして文字盤が必要なのか疑問ですが、黒電話にアドレス帳なんてありませんから多分使いません。
名前を囁くと連絡帳を呼び出せると、なお良いのですが多分其処までは無理でしょう

とまあ、このように文字盤に工夫をするのが最後の提案です。

実際にこれ等の機能を導入した携帯が売れるかどうかは、正直分かりません。
「事実は小説より奇なり」で人がどのように動くかは分からないからです。

しかし、かなり自信が有ります。
減給覚悟で提案するくらいの覚悟です。
残念ながら我社はそういう仕事をしていないし、iアプリにしても多分売れない(iアプリを落とせる老人は携帯に詳しいからです)ので、私の手で実現するのは難しいのですが…

なお、アイデアは自由に使っていただいて結構です。
誰か提案してくれないかな。
そして私のブログを宣伝してくれ・・・
う~ん、他力本願で自己嫌悪。

追記:
やっぱり3GSはあまり売れていないみたいです。

Iphone3gs

もう在庫があるんだ。

|

« 中々面白い、森永卓郎 - 日銀総裁にするといいかも | トップページ | 駆け込み公募 - GSユアサの場合 »

マーケティング」カテゴリの記事

コメント

いやー これはないでしょう。
0ならパルスを10個 9なら9個発生させていたわけですからうまく円を描けないと0をダイアルしたつもりが9とか8とかになっていまいそうです。

投稿: | 2009年7月15日 (水) 23時55分

>ボタンに触った瞬間に数字を認識し、後のグルグル回るシーンは単なる動画にすればいいのです。

あ、すみません 先ほどの者です。よく読んでいませんでした。
意味のない動画を付け加えてもうざったいだけだと私はおもってしまいます。
というか、お年寄りは通話ができればiPhoneなんて必要ないでしょ。

投稿: | 2009年7月16日 (木) 00時02分

コメント有難う御座いますm(_ _)m

>動画を付け加えてもうざったいだけ
私も同感です。
グルグル式が廃れ、プッシュ式になったのはそれも一因だと思います。
しかし、問題なのは無駄だから取り外してよいのかと言うことです。

手間が省けても、使い辛くなれば老人にとっては辛いようです。
電子辞書ではなく辞書を引いているのも、
携帯のマップ機能を使わずに、地図をグルグルさせているのも、
結局は使い辛いからだと思います。

>お年寄りは通話ができれば
そもそもその通話ができなかったりするので、
メーカー側が工夫してやると良いと思います。

投稿: なる | 2009年7月16日 (木) 00時25分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 痒い所に手が届く商品作りを - iPhone3GSを売るために③:

« 中々面白い、森永卓郎 - 日銀総裁にするといいかも | トップページ | 駆け込み公募 - GSユアサの場合 »