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自動車産業と銀行

米国政府のGMに対する態度は、断固たるもののようです。

米政府は6月1日に期限を迎える自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の転換社債10億ドルの償還を肩代わりしない方針をGMに伝えた
>>GM:政府が6月1日償還肩代わり拒否、再建猶予延長絶望か

GMはいよいよ後がないことが確定的になりました。
先日首になったワゴナー氏と違い、ヘンダーソンCEOは政府が公認しているようなものですから、彼の元では十分破綻しうるでしょう。
と言うか、うるさい労組を黙らせる為に一端破綻させた方が手間要らずですから、多分プリ・パッケージ型事業再生を行うでしょう。

仮に破綻した場合、GMに対して影響力を持つのは大債権者である米政府ですから、公認されているヘンダーソンCEOは首になりません。
GMが潰れると首になるワゴナー氏と違って、ヘンダーソン氏は潰れても首にはなりませんから、手間を考えれば破綻させる方が彼にとっては合理的でしょう。

破綻した場合の問題は二つ。
一つは、仮に破綻した場合、su-Zさんが疑問に思っている通り、GMをどのように解体し再建するかと言うことです。
様々なブランドを内包するGMの内、採算性が取れないものを誰に押し付けるのか、また誰に売れば自分達の首を絞めないかはかなりの難題です。

世界四季報:GMブランドの行方

もう一つは、AIGを筆頭とする金融機関との兼ね合いです。
GMが借りているお金は300億$位ですが、AIGはその6倍の1700億$です。
銀行や金融機関は金を借りられるのに、なぜ自動車業界が借りられないのか、説明が必要です。
予想通り、ブルームバーグでもケチが付けられています。

Bloomberg:【コラム】米大統領は銀行に甘く自動車メーカーに厳しい-カールソン

雇用云々の問題は有りますが、仮に生き残った場合でもやっぱり首切りは避けられませんから、意外に潰れても問題は無いと思います。
今の不信感が漂っている状態よりはマシかもしれません。

GMの破綻は避けられそうにありませんが、課題は寧ろ潰れた後に有りそうです。

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