GEの受難
20日の市場で、世界最大級の電機系コングロマリット、GEの株価がガッツリ下がっております。
ついに株価は目安となる10$を割り込み、時価総額も100B$を割り込み踏んだり蹴ったりです。
GEは以前に紹介した次世代型原子炉ESBWRを日立とともに作っている会社で、時価総額も一時は600B$にも達した大企業です。
原子炉開発のパートナーである日立が傾いていることもあり、資金繰りも格付けも大変な様相です。
理系済:次世代型原子炉、ESBWR
ロイター:米GE、2年以内にAAAの格付け失う確率が約3割=S&P
これに加え、景気の低迷で電化製品の売れ行きなどの懸念により株価はズルズル下げております。
08年は増収減益でしたが、バランスシートはそこまで悪くはありません。一方、自己資本比率は13.9%と低めで、資金繰りが悪化すると厳しいものがあります。
20日の株価も、若干がんばった31セントの配当を出したのですが、これにより配当落ち、それにかこつけたおそらくヘッジファンドなどからの売りと、出尽くし感からの売りが重なり大幅下落となったようです。
結果、GEは昨夜一晩で7.1B$もの時価総額を失い、減少幅では、ひどい決算を出したリオ・ドセ(ヴァーレ)を抜いてトップとなりました。
なお、同日に大幅下落となったバフェット率いるバークシャー・ハサフェイは、GEの株やら債券やらをずいぶん持っていますので、この辺りが効いていると思われます。
ロイター:米GE株が大幅下落、150億ドル増資でも懸念は払しょくされず
前述のとおり、GEの自己資本比率は低いため、資金繰りが悪化すると急激に苦しくなります。
政府は自動車業界で手一杯ですから、仮に支援を願い出てもたぶん無理でしょう。
ここがGEの踏ん張り時のようです。
しかし、政府もいい加減自動車業界の手助けは止めた方がいいと思います。
彼らを更正なんて、もう無理でしょう。
税金を投じて雇用を守るそうですが、なんだか労組の方々の豊かな生活を守るだけになりそうな気がします。
CNBCのコメンテーター、サンテリ氏は低所得者層の住宅ローンについて文句を言っていますが、これは自動車業界にも言えることだと思います。
To lave is to think.:[Chicago Tea Party]シカゴ茶会事件
お先真っ暗な自動車業界よりもGEを支援したほうがいいと思います。
追記:
ぜんぜん知りませんでしたが、今のGEの売上高比率で一番高いのは、金融部門だそうです。
そういえば、二、三年前のソニーも営業利益の3,4割を金融が占める時が有りましたね。
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コメント
3年ぐらい前まで世界最強といわれたGEですら泥沼に足を引っ張られる時代なんですよね(-o-;)
投稿: スージー | 2009年2月22日 (日) 05時33分
ある意味最強の称号が足を引っ張ったのかも知れませんね。
レバレッジをかけても資金繰りが行き詰らなければ「合理的」ですからね。
他にも財務にレバレッジをかけている一般企業が有りますから、この辺は大変かもしれません。
投稿: なる | 2009年2月22日 (日) 14時28分